AVEでアンダルシアへ 田舎のレストランで爆笑!
マドリードのホテルに荷物を置いて南スペインへ二泊三日の小旅行。旅行中の新たな旅行ってちょっとジモッピーのヴァカンス気分。小さなボストンバッグだけの身軽な旅は気軽な遠足みたいで心もウキウキ。
しかも今回はスペイン版新幹線AVEでの旅。マドリードはアトーチャ駅から南へ一路、地中海に面したアンダルシアの中心都市マラガへ向かいます。しかも少し贅沢して座席はファーストクラス。快適です。
AVEは日本の新幹線より窓が広いカンジで座席もワイド。車両が新しいせいもあるんでしょうけど日本のグリーンより高級感があります。
まわりで皆さんは朝食後にチョット睡眠(ファーストクラスは簡単な食事つきなんですよ、美味しかった)その間、外を眺めていると、窓から見える景色はスペインらしい乾いた大地にオリーブの緑。モチロンそれだけではありませんが目に残るのはコレ。ベージュとグリーンのカラーリング。ヨーロッパではちょっと異色なんですよネ、この色目。
でも列車からの景色っていくら見ててもあきないなあ。流れてゆく景色は特に変わり映えするわけでもないのにネ。でも、車窓の景色を見ながら僕にも徐々に睡魔が・・。
ひと眠りしている間にあっという間にマラガ到着。マラガの駅は明るくてキレイ。
そして外に出るとアンダルシアの太陽が燦々と降り注いでます。ヴァカンス気分盛り上がりますね、こういう陽光は。さあ、いざリゾートへ、ということで待っていた車に乗り込みます。
ドライバーさんも陽気なナイス・アミーゴ。こちらの片言のスペイン語と彼のブロークン・イングリッシュでコミュニュケーションは問題なくオッケー。
ここマラガからスペインを代表するリゾート、マルベーリャまでゆくのですがその途中にちょっと寄り道。
やっぱりアンダルシアといえば“白い街”。有名なのはミハスですが、以前行ったので今回はカサレスへ。ドライバーさんに伝えると・・。
「カサレス?珍しいなあ。日本人はみんなミハスに行くのに」
「ミハスは前に行ったんだ」
「なるほどね。ところでランチはどうする?カサレスには何でもあるけど時間的にちょっと微妙ダネ」
確かにカサレスまで行くとカナリ遅いお昼。夕食にもひびきそう。
「そうだね。どこか途中で食べようか。どこかいいところある?」
「この辺りは田舎だからねえ。一軒知ってるけど完全に地元の人しかいかない店だから皆さんにはどうかなあ・・」
他の皆さんにそれを話してみると“面白そう!”と全員一致でそこに決定。
そのレストランは畑の中の一本道にぽつりとある一軒家。確かに観光客とは縁のないトコロ。駐車場には軽トラやトラクター。うーん、確かにローカル。
ドアを開けるとバルのようなカウンター。そして奥にテーブル席がけっこうたくさんあります。まあ、バルとレストランのミックスチャー。
ちょうどお昼どきだけあって結構な込み具合。確かに地元の人ばかりの雰囲気。農作業の合間の憩いのひと時みたいですネ。でも、いたって普通・・と感じたのはコチラ側だけだったみたい。
ドアを開けて私たちが入っていったときの彼らのリアクション、まるで漫画。
それまでおしゃべりで賑やかだった店内が数秒間でシーンと静かに。全員コチラを見て目を丸くして口あんぐり。ホント、持っていたナイフやフォークを落としそうな勢い。
なかなか忘れられません、この光景。多分、日本人、というより自分たちと違う人種見たのは初めてなのかも。まるでパンダを見るような目つき。
ドライバーさんが店の人と話して無事?ウェルカムしていただきましたが、お客さんの“パンダを見る目つき”は相変わらず。奥のテーブルにつくまでずーっと視線が私たちに向けられておりました。
でも楽しかったなあ。
そのときの私たちケッコウ強者揃い。集まる視線の中堂々と食事。しかも、ココでは絶対日本語分からないだろうからと・・。
「いやあ、すごい不躾な視線よね」
「ホント。パンダにでもなった気分だわ」
「そう、私たちが入ってきたときの顔ったらなかったわよね。パンダどころか宇宙人並みの扱いよ」
「知り合いの家でご飯食べてたら突然インディアンが乱入してきた、みたいな衝撃なのよ」
「だけど、よっぽど珍しいのよね。私たちみたいの」
「だって田舎の畑の中、一軒家だもの・・」
言いたい放題、ハナシはつきません。
「でも、こういうことがあるから自由な旅行は楽しいのよネ。日本に帰ったらしばらくこのハナシで盛り上がれるわ」
確かに。普通の観光では絶対こないトコロですから、ここ。スペインの田舎でパンダとか宇宙人扱いされたのはケッコウなネタになるかも。
まあ、コチラをパンダのように見ていた地元の人たちの方もしばらくハナシはつきないでしょうけどネ・・。
で、この後“白い街”カサレスに行ったんですけど、このパンダの一件が印象強すぎてメインの観光地カサレスのことは正直あまり・・。この日は完全に田舎のレストランが主役の座。もう二度と行くことはないでしょうけど、今思い出してもけっこう笑えます。
地元の皆さん、突然驚かせてごめんなさいネ!
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