第10話 SFとはなんぞや?<前編>

 もはや、SFは小生の手に負えず。

 そろそろ撤退を考えていたところ、同僚に捕まりファミレスに誘われる。

 仕方が無く小生がパフェを食べていると、同僚は笑顔でこう言った。


「最近のSFはどう思う?」


 小生、ぽかーんとした。

 曖昧過ぎて質問の意味が分からない。

 SFの定義が分からない小生は、最近のSFが何を示すのか不明である。

 ハヤカワさん家から出てている新刊の話でもすればいいのだろうか?

 

 だが、『ネズミ型万能兵器』が出てくる話の新刊が出たが、小生はまだ読んでいない。完結したら一気に読む予定なので、しばらくは放置する小生なのである。


『秘密同盟アライアンス』という本も読んだが、あれはSFというよりファンタジーではないかと考えている。名前を出したら同僚に怒られそうだ。


 これまた仕方が無いので、結構前に読んだ『ザ・ジャグル』という作品が面白かったと言ったら、同僚は微妙な顔をした。


「あれは良くできてるが、テーマが『戦争』だからなぁ。SFはもっと未知の分野の開拓者であるべきだ」


 この野郎、意味の分からないことを言いやがって。

 と小生は思ったが、パフェを食べたら怒りは収まった。

 

 ふむ、確かにあの作品のテーマは『戦争』だろう。

 しかも人と人が利権のために争う現代的戦争だ。

 SF的小道具を使った戦争小説。いや、実際には戦争が終わった後の話なので、『SF的小道具を使った戦後小説』と言うべきか。


 やれやれ、良く分からないジャンルが出来てしまった。

 小生、甘い物を食べているのに脳が疲れる。


 自分で考えるのが面倒になったので、小生は『SF的小道具を使った戦後小説』のジャンルはなんぞや? と同僚に尋ねることにした。

 同僚曰く、


 ――知るか。


 小生、同僚が役立たずだと知り、テレポーテーション(空間転移魔法)を使用し、同僚をイスカンダルへと旅立たせた。これでしばらくは平和である。


 さて、SFとはなんぞや?



<同僚が役立たずであることを理解する> 

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