第15話 猫型ロボットのお話(前編)
小生、コタツで丸くなる。
ハカセは『ペ何とか星人』の戦闘用アンドロイドの話をしたら、自分も作ると言い出したので、ミカンを食べながら漫画を読み優雅な時間を過ごしている。
『猫型ロボットのお話はSFですか?』
これが今回、小生が考えるべきテーマである。
適当に言っていたわけではないのだ。伏線なのである。
さて、猫型ロボットのSFは『少し不思議』という意味のSFである。
だが、この作品に関して『少し不思議』という言葉では説明できない『超不思議』な事実があるのである。
それは
『猫型ロボットはなぜタイムパトロールに捕まらないのか?』
ということである。
タイムパトロールというのは明確な定義は無いと思うが、おそらくは時間犯罪者を捕まえる組織であると推測できる。
猫型ロボットの目的は、未来を変化させること。
小生がタイムパトロールだったならば、即効逮捕。強制送還である。
しかもあまり重要じゃないことで、世界を何度も混乱に陥れているという始末。下手な秘密結社よりもやっかいな存在なのだ。
だが、猫型ロボットはタイムパトロールから隠れるどころか、数回接触しているのだ。他の犯罪者が捕まる中で、猫型ロボットは野放しなのである。
これはちょっとおかしい。
小生、ちょっと考えてみる。
なぜ、猫型ロボットが捕まらないのか?
うーん、うーん、とコタツでミカンを食べ、漫画を読みながら考えていると、二つほど理由が思い付いた。
一つは『猫型ロボットこそがその世界の神様なのである』
つまり、自分の作った世界で何を変化させようとも自由であり、タイムパトロールなんぞには捕まらんのである。
その証拠として『もしもボックス』という、世界そのものを書き換えるような道具を平気な顔で使うという事実が挙げられる。
普通、そんなことができるのは神様ぐらいなものではなかろうか?
では、なぜ神様である猫型ロボットが『のび太くん』の前に姿を現し、様々な道具を使い、様々な体験をもたらすのだろうか?
それは『のび太くん』こそが次の神様候補なのである。
だからこそ、『のび太くん』には神の如き力を持つ秘密道具を扱う権利があるのではなかろうか。
宇宙を飛び回り、時間を飛び越え、世界すら書き換える。
それを平然とやってのける『のび太くん』こそが人の中から選ばれた次世代の神様候補なのである。
だが、その世界を自由にできる神様候補である『のび太くん』が選んだ未来と言うのが『好きな女の子と結婚する普通の未来』なのだ。
そこに奇想天外な日常を過ごした痕跡は、一つも見当たらない。
『猫型ロボット』の姿は消え去り、ただ平凡な日常と幸福が続く世界だけが残されたのである。
それこそがこの作品に込められた『人は神のごとき力を得ようとも、最後は誰かと分かち合う幸福を選ぶ』というメッセージなのかもしれない。小生、コタツでゴロゴロしながら、そう考えた。
もう一つ考えたのだが、長いので分割することにする。
けっして漫画を読むのに忙しいからではない。
<続く>
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