第11話 SFとはなんぞや?<後編>
同僚との会話は無駄だったが、小生の中に一つの疑問が浮かんだ。
――SFには二種類のSFがあるのではないかろうか?
『本質的SF』と『小道具的SF』である。
小生にだけ分かるてけとーな名称なので、ご注意ください。
おそらく、頭の良い人が正式な名称を付けていると思われるが、探すのが面倒なのでこれで考えるとしよう。
『本質的SF』というのは作品の『テーマ』がSF的である作品のこと。
例えば『人類の進化』を考察した物語。
例えば『ロボットの溢れた世界で人類の辿る未来』を考えた作品。
作品の本質がSF的である作品。
SF的テーマに対して一定の答えが描かれた作品
逆に問題提起だけで答えが無い作品。
『小道具的SF』というのは作品の『世界観』だけがSFの作品である。
例えば『科学が進歩した世界での現代ドラマ』
例えば『宇宙で賞金稼ぎをする西部劇的アニメ』
外側はSF的小道具で固めながら、中身は別物の作品。
エンターテインメントとしてのSF作品。
楽しい、面白い、カッコいいを追求した作品。
小生には大きく分けるとこの二種類のように感じられる。
最近の作品でSF作品と言えば、思い浮かべるのは『小道具的SF』のことじゃなかろうか?
そもそも、この定義で分ける『本質的SF』というのは、今の市場ではあまり売れない作品じゃないかなぁと小生は思う。そう言う意味では『古典的SF』とも呼べるかもしれない。
という話をエルフ先輩に語って聞かせたら、
「それが何の役に立つの?」
と言われてしまった。
おお、これこそ本質的質問である。
この文章の『テーマ』なのだ。
その答えは――――『何の役にも立たない』である。
あれっ? 小生の努力は全て時間の無駄であった。
<第一部完>
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