錦戸琴音

ふわりとしたほろ苦さが読後感に残ります。
何故かショパンの雨だれが似合いそうで。
しっとりと幻想に浸りたくなるお話です。

落語的な滑稽さがありながら、善意で犠牲を払うお百姓さんの姿が皮肉めいている。
どこか宮沢賢治のような色合いを感じます。
一口の薬種を含んだような読後感がある作品でした。

この作品は三部作の帰結章であり、「放屁」する男の物語なのです。 ――実にくだらない―― そう思いでしたら、静かにお戻りになるのがよろしいかと存じます。 本作を含み、以下にご紹介…続きを読む

日常に潜む訳のわからない理不尽さをユーモラスに切り取った鮮やかさが最高。
一読すれば、どこかしら「あるある！」と思わされます。

滑稽さを際立させている冷静な視点もまた秀逸です。

異なる時間を生きるというのは、余りに切ない。 けれど、そこに留まるのではなく 自らの選択を受け入れて、立ち上がる姿が気高くて印象的でした。 天女の心の奥底で、その背を押したのは何…続きを読む

詩情深い筆致に惹き込まれます。 読み手に任せられる余白は、 まるで反射した硝子の光のようにちらちらと、 AIの扱い方、関係の持ち方を問いかけてくる。 読後に拾い集めたそれらの欠…続きを読む

街では多くの人が行き交っております。 目的地への手段には、時にタクシーも使うでしょう。 但し、そのタクシーは乗客者の小噺を求めてきますよ。 僅かな乗車時間に語りだす客の胸の内が露…続きを読む