〝私が、初めて、あの世界に行ったのは、あの時だったと思う〟そんな言葉から、物語は始まる。小学生の主人公〝私〟が体験する。日常に隣接する異界への迷入の顛末である。読む者は、子どもの知覚の不確かさや記憶の曖昧さ、社会的立場のなさにもどかしさを募らせることだろう。そして、曖昧な状況のなかで不安なままの主人公の後を追う。リアリティと臨場感に溢れる不思議な物語。ご一読をお勧めする。
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