9つのホラーを集めた短編集。どれも良い意味で日本的なホラーとなっており、直接的な恐怖、じわじわと追いかけてくるような恐怖など、複数の怖い話を味わえる作品。ホラー好きにオススメの作品です!
ホラー、怪談。人は様々なモノに対して恐怖を感じる。あるときは昔話。あるときはSFめいた話。ただ怖いのだけど、怖いにも色々と種類があるのだと読んでいて思いました。9話の短編が詰まっておりますが、どれが一番怖いと感じるのは、人それぞれだと思います。私は10話目の見える人にだけ読める話がすごく怖かったです。(嘘です。実際は9話までです)……とまあ、そんな余韻が残る話でした。一番怖いのは人間だもの。
ここに収められた九つのお話は、どれもが極上の恐怖の結晶です。 ぎゅっと固められたそれらはどれもが違う色合いを放ち、読者の心を捉えて離しません。 知ってはいけない、覗いてはいけないのに……先を読むのが止められない。 妖しい宝玉のような恐怖を、是非。
読了したので書きます。一言で言い表すならば、多種多様な恐怖が押し寄せてくる。この言葉が最も相応しいのではないかと思います。どの話も恐ろしいのですが、個人的には5話と最後が最も印象に残っています。ただのホラー、創作で終わらせるのはありえないと感じるほどの何かが潜んでいます。ギリシャ神話にある『イーリアス』にしろベースとなったものはある。必ずしも歴史とは、人とは輝かしいものばかりとは限らないのが現実です。綴られた物語を単に創作と片付けるか。或いは現実にあったことだと受け止めるかのかは、あなた次第です。
独特な語り口で、読み手の「日常」を揺さぶるストーリー群です。 1話1話は短く、それでいて強烈な印象を残す作風は、唯一無二です。オムニバスなので、気になったタイトルから読むこともできます。 あなたも、非日常のページをめくってみませんか?
怪談。ホラーが苦手でも、怖いものみたさで、ちらっとのぞいてしまう。そんな怪談話の美味しいところが短編で読めます。この世には人間だけでなくケモノ、亡くなった人、モノ、石など、日本には八百万の神という自然界のあらゆるものに神が宿るという信仰もあったり。子どもの頃から、誰かに伝承されてきた怪談の怖い部分が味わえます。ぞくっとする怪談話。お薦めいたします。
ホラー。それも手加減無し。この世に在ってはいけないほど無残。この世に在ってはいけないほど不条理。こんなのは間違っている! そう声を上げたいはずなのに。徹頭徹尾、冷徹な論理が通っているのですよ。出鱈目ではない、この世の在りようが露出しています。読みと我が身が貫かれ、残ったままになるのですよ。穴がぽっかりと。
色々なホラーが楽しめる作品です。じわじわと、心理が狂っていく様子が描かれていて、とても楽しめました。個人的には、1話目が一番好きです。勿論、他の作品も楽しめますよ。非常に短い作品の一話形式なので、ホラーのご都合主義が無い話が好きならお勧めです。
レビュー失礼いたします。それぞれの作品の通底和音に、清潔感と悲しみがあり、とてもおもしろいです。何回も読みたくなります。 長編作品をたくさん書いている作者様です。 長編で力をつけると、ここまで完成の高い短編が描けるようになるのかと、はっとさせられました。 拙文ご容赦ください。
私はホラーに詳しくはないが、どこか匿名掲示板で語られていたような、シャレにならないほど怖い話を聞いているかのように感じられた。どの話も実際にありそうな、よく分からないままに終わる感覚が、日常の延長線上にこうした出来事があるのではないか? と思わせてくる。個人的には第三話が好みかもしれない。こういう世界観のホラーもっと見たいと思えた。他の話ももちろん面白いのでぜひ。
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