この家、面白い!
最初にイメージが頭に入った瞬間、「うむむ!」と楽しい感覚で心が満たされました。
夫の実家は「狂っている」もので、なぜかどんどん「家の構造」が変化しているという。二階にあったはずの物置が隣に来ていたり、トイレなどの位置が気が付くと別の場所に変化していたり。
この感じ、覚えがある。そう、「不思議なダンジョン」だ!
入るごとに構造が変わって、今までなかった場所に宝箱があったり、階段の位置が変わっていたり。
そういう自動生成ダンジョンのような特性を持った家。それがこの「夫の実家」なのだと解釈しました。
そんな「ヤバい家」の中で普通に暮らしてる人たち。その存在感が既に面白い。
そうした狂った住環境だからこその、彼らの感性。
掌編として完結した話ですが、この設定だけで連作としてもっと色々なエピソードを見てみたいと感じさせられました。
彼らのことをもっと知りたい。この家のことをもっと知りたい。そんな風に思わされる魅力いっぱいの作品でした。