静かな語り口で綴られる、旅の物語。主人公の行く先々で起こるエピソードが、やがて集約されて一つの物語になることを予感させます。人々の心理描写も見事です。是非ご一読されることをお勧めします。
言葉が紡がれていく中で、言葉から感じられる不思議な感覚があります。 その言葉からは色々な感情が読み取れると思います。段々と引き込まれていく心地よさがあります。
穏やかな口調で語られる、不思議な青年と少女の、異世界の旅。 するりと物語の中に入り込み、異世界の自然や精霊、そこに住んで息づく人々の生活や気持ちに触れることができます。 不思議な青年と少女の、旅の足跡はとても興味深いです。 ひたひたと潮が満ちるように、いつの間にかどっぷりと話にひたってしまいますよ。 風が吹くように、水が流れるように、あなたも異世界を旅してみませんか。
只々、その美しさに感動する。美しい田園風景。麦の穂が柔らかな風に揺れる。長閑な畔と草の匂い。一転、凍える雪原、緋々と燃え盛る焔、漆黒の天に流れる満点の天の川。 この物語は、可憐にして儚い、けれども悠久を流れる風景を見せてくれる。 『物語』そして『祝』。様々な土地を巡る謎めいた旅は、何を齎すのか。きっと、佳きものに違いない。
異世界とは不思議な世界ですが、このお話の世界は特に不思議です。人の世界を飲み込む森林があり、精霊がいる。そして精霊を見ることができる人がいる。しかし魔法や勇者は出てきません。出てきませんが、ここには確かな物語があります。その不思議な旅人をめぐる、味のある物語が。ぜひ、ご一読を。