増黒　豊

名著「六韜」など、後代になっても親しまれる軍書をしたためたとされ、太公望の名で知られる伝説の軍師、呂尚。 彼を姜子牙とし、魔獣や仙術、宝具や妖怪の類と共に描いた痛快絵巻として今…

24歳、京都の春。就職にも失敗し、アルバイト先もクビになったハルタは、鬱屈した思いを抱えながら途方に暮れていた。 そんなとき再会した大学時代の同級生のモカの趣味の動画投稿に参加す…

被害総額、三年間で四億円。天才詐欺師と呼ばれた羽布清四郎（はぶせいしろう）は、数々の被害者をその毒牙にかけつつも、一切の証拠を残さず姿を消した。 時は令和、場は京都、昔ながらの…

ゆあん様「筆致は物語を超えるか」の企画を拝見し、参加致しました。

日露戦争。現代を生きる我々は、そういう出来事があったということは知りながらも、それについての詳しいことを知ることは少ない。 これ以前の日清戦争、この十年の後にあった世界大戦、そし…

第二部連載中。 ウラガーン史記に記された、その始まりの一節について描く。 英雄王と呼ばれるに至るヴィールヒと、彼を支えし十聖将。 国家と志と、精霊の巫女とが絡み合う中、彼らは古…

我が国の歴史にとって、あまりにも有名で、あまりにも重要な期間というものがある。 その時期には、決まって、獣が現れる。 雷のように降り立ったその獣は、天の智を喰らい、地の武を破る…

決して抜けぬ片刃の剣を握る一人の女。彼女は、何かを求めて旅をしている。 ゆく先々で出会う人の、そのかなしみに触れたとき、彼女の剣はそれを喰らって牙を剥く。 人の血と怒りと悲しみを…

──妻のサヤが、死んだ。 もういちど会いたいと願った。 その願いは、叶った。 死んだはずの妻が幽霊になって戻って来た。彼女が現世で活動する原動力は、夫のいのち。 そばにいればい…

不良少年タケル。彼は学校よりも夜の路地裏の地下のライブハウスにいることの方が多いような学生生活を送っている。 教室と教科書よりもフリースタイルバトルとストリートファイトを棲家にし…

かつて、鬼と呼ばれた男がいた。 太平の世の中、誰にも知られぬ夜の影、鬼は一人で牙を剥く。やがて鬼は年老いて、今は歯牙ない渡世人。 鬼の影を追う者は、己が屍を曝すのみ。 惚れた女…

鎌倉時代に編まれた名著「徒然草」。俺にはどうしても、トガりきった男の生の渇望にしか見えない。 魂の震える言葉と、俺の言葉を重ね合わせてみれば。もしかしたら、面白いかも。そう思った…

君へ。 #KAC4用短編。 1250文字。

国境なき翼。 強力な武力を持ち、周辺諸国を震撼させるヴァーラーン帝国がもたらす百年戦争の終結を目指し結成されたその武装集団を率いる女、アイシャ。彼女が駆る鐡翼の前を翔ぶ敵は、全て…

人の形をした機巧。自律制御システムと生体部品により構築されるその存在に、いのちは無い。 ただ無慈悲に戦い、血を浴び、その黒を染めてゆく彼女の、こころと魂の物語。

デビュー以降、飛ぶ鳥を落とす勢いで人気作家となった俺は、言葉の魔術師とまで言われていた。 しかし、満足は、人を留める。 だから、五十の音を一つずつ減らしてゆき、どこまで小説が書け…

特務機関「ライナーノーツ」の暗殺者である、おかっぱ頭に武骨なピアス、ジャージにスニーカーのハードボイルドヒロイン、丹羽しな子。 その手には、幼き日の炎の疼き。それが焼くのは、現…

この神社に参詣をすれば、どんな願いでも、たちどころに叶うといいます。 もしも、運よく御守りをもらうことが出来れば、あなたの願いは必ず叶います。 ただし、願いが叶うということは、…

人の死について回る、悲しみや憎しみ、そして恨み。 それを、拾い上げる一人の男。 彼が持つ裏の顔は、復讐代行屋ルーシー。 ときに依頼を受け、ときに自ら人の恨みを買い、それを晴らす…

東京の街の影をあるく、チンケな金貸し、渋谷 雄。 彼を追う女刑事、伊万里 春菜。 二人が飛ばされた先は、戦国時代。 戦国の超有名人として二人で力を合わせ、現代に還れるか！？ 爽快…

筆者も、これを読む人も、ここに綴られてゆく。 彼らの、生き、示し、戦い、求め、流す血の物語を、共に綴ろう。 それは、さながら、暴れる風。

幕末を駆け抜けた新撰組。 その十一番目の隊長、綾瀬久二郎の凄絶な人生を描く。 よく知られる新撰組の物語の中に、架空の設定を織り込み、彼らの生きた跡をより強く浮かび上がらせたい。

ヤマトのヒメミコである、サナ。 不思議な声を聴く力を持つ彼女は、戦乱の中、一国の女王となり、そして一人の人間として生きてゆく。 その側には、いつもマヒロの姿。 二人を中心とした…