月に笑う鬼

作者 増黒 豊

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★★★ Excellent!!!

かつて、月の夜に鬼となった凄腕の殺し屋、三蔵。
闇の世界から姿を消し、年を取った三蔵が、再び鬼になる。
賭場に売られてきた少女・唯を守るために。

暴れん坊将軍とか水戸黄門のような権力を持った側が、
悪をバッサバッサと退治する時代劇も嫌いじゃないんですが。
一番好きなのは、『必殺仕事人』シリーズでした。

夜半三蔵。
六文竜。
水仙。
闇に生きる者たちが、それぞれに高い技量を持ち、
それぞれの生き様を抱えている。
まだそこまで闇に呑まれてはおらず、
彼らをすぐそばで目撃する若者は、何を思うのか。
そして、唯の運命は。
熱かったです。面白かったです。

★★★ Excellent!!!

生きることは闘いだと、どこかで読んだ覚えがあります。闘いとはなんでしょうか。癒せない傷を負い、それでも呼吸をやめないことでしょうか。敵と見定めたものを打ち倒し、自らが生き残ることでしょうか。それとも、自分の大切なものを守ることでしょうか。ひとつの答えが、この作品の中にはあります。生きることに正面から向き合っている人、生きる意味がわからず苦しんでいる人にこそ読んでもらいたい作品です。素敵な物語を、ありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

熱い。
全編、とにかく熱い。
作者の熱が、作品を通して伝わるようだ。

近頃は、このような『古き良き』時代物をあまり見かけなくなった。
『古き良き』というテーマは、恐らく皆が憧れるものであろう。しかし、これを書くのは難しい。
とりわけ時代小説というジャンルは、昔から描かれ続けた手垢まみれのところである。その中で光るには、やはり『新しさ』が必要だ。

この作品は、その難題を「アクション」という形でクリアしている。鬼たちの戦いを、読者が思わず息を呑むほど熱く描いている。

私はかつて作者の別の作品を読み「司馬遼太郎の再来」と評したが、この作品はそれを超越する面白さである。

『古き良き』でありながら『新しさ』のある時代小説。
この面白さは、あなたが読んで確認してもらいたい。