概要
征け。墜ちる星の、その滴の歌の先に。
第二部連載中。
ウラガーン史記に記された、その始まりの一節について描く。
英雄王と呼ばれるに至るヴィールヒと、彼を支えし十聖将。
国家と志と、精霊の巫女とが絡み合う中、彼らは古きものを打ち倒し、あたらしきものを作る。
古き時代に戦った大精霊と、龍。人の世になり、それらは眠りについた。人の、心のその内側に。
大精霊の翼は盾、龍の牙は矛。それらがぶつかるとき、星は雨となり、雨は血となり、地を濡らす。人はその滴の歌を奏で、そして聴く。
そして、彼らは、繋ぐのだ。
その怒りを、悲しみを、喜びを。
それは、さながら、暴れる風。
ウラガーン史記に記された、その始まりの一節について描く。
英雄王と呼ばれるに至るヴィールヒと、彼を支えし十聖将。
国家と志と、精霊の巫女とが絡み合う中、彼らは古きものを打ち倒し、あたらしきものを作る。
古き時代に戦った大精霊と、龍。人の世になり、それらは眠りについた。人の、心のその内側に。
大精霊の翼は盾、龍の牙は矛。それらがぶつかるとき、星は雨となり、雨は血となり、地を濡らす。人はその滴の歌を奏で、そして聴く。
そして、彼らは、繋ぐのだ。
その怒りを、悲しみを、喜びを。
それは、さながら、暴れる風。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!雨の龍は災厄か、救済か……歴史の転換期にぶつかり合う信念。
歴史に対する確かな見識を持つ、増黒豊先生が世に放つオリジナルファンタジー戦記。
その手腕は異世界においても如何なく発揮されています。
歴史とは、文化とは何たるかを知る先生が描く世界はここで描かれているストーリーを飛び越えて広大さを感じさせてくれます。
それを支えるのは、短く切れるような文章。
独特のリズム感がありながらもテンポが良くて読みやすい。それでいて世界観と深い知識が内包されていて、自分の奥底にくすぶる何かに火をつけるだけの魔性の魅力があります。
北方謙三作品が好きな方に、ストレートに刺さる作品だと思います。
そうでなくとも、ここまでひとつの『世界』を描くのに真摯で、ハードさと大…続きを読む - ★★★ Excellent!!!文字が網膜を灼き、その熱が黒き龍と化して全身を廻る怪作
腐敗し堕落した国家を砕き、新たな国を作る。言葉にすると簡単であり、また我々人類の歴史の中でも何度も起こったことです。
しかし悪とは何か?
正義とは何なのか?
正しき国とはどういったものであるのか?
答えに詰まる問いかけを、この作品は強く訴えかけてきます。いいえ、強いなどというレベルではありません。一つ一つの言葉が、重く深く痛いのです。
奪うことをせず生きられる世のために、奪わないために、自分達がその最後の一人になると決めた者達。
愛する者の瞳に映る自分がいつも笑顔である世を願い、己にしかできぬことを為す者達。
追い、求め、示す者達。
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この物語…続きを読む