武臣　賢

退屈姫が逆転生。やってきたのは仁義の世界。極められるかそのオタ道。

散文的な詩です。肩ひじ張らずに短編小説を読んでいるような感覚です。情景描写が目に浮かぶとても映像的な表現が素敵です。

緻密な設定と、大胆な展開に、息を飲みます。

タイトルも気になりますが、中身は正統派学園ファンタジーです。

息子の死という衝撃的なスタート。そして死とつながる自分の姿。そこにあるものは……。

心に傷を負った少年と、百年生きている悪魔の恋。切なさがこみあげてきます。

まだまだ序盤ですが、主人公の少女の揺れ動く心が良く分かります。少女は何を見つめ、どこを目指すのか……。

会話の遣り取り、いいですよね。タイトルも好きです。

でも、それがいい。あちこちで動乱を巻き起こしつつ復讐劇は続きます。

まだまだこれからという前向きな気持ちになります。

でも、中身はかなり真面目な時代ものです。

主人公の置かれた立場、辛いです。しかし、そこに逆転の一手が転がり込んで……。

アップデートの全容がまだ明らかになっていませんので、今後の展開に期待です。主人公がどうやって強くなっていくのか、目が離せません。

どこか懐かしい。丁寧な描写と相まって、切なさが込み上げてきます。

作者さんの才能なのでしょう。シリアスさなどまったくないまま、シリアスなシーンが通りすぎていきます。まるで軽業師の曲芸のようですよね。

表面はいかにも穏やかに見えますが、荒々しさを内に秘めた作品。続きが気になります。

物語の中で、登場人物が抱く違和感は、読者の違和感でもあるのですが、その点、とても明快で引っ掛かりなく読めています。

丁寧に描かれる登場人物の感情に移入してしまいます。

幻想小説というか、幻想戯曲のような雰囲気がただよってきます。まだ途中ですが、先を読むのが少しもったいない気分で読んでます。

今のところプロローグ的な話しに終始していますが、これから先の展開に注目です。

復讐心は人間のもつ純粋な感情。濁りもなく淀みもない。

どこか遠くへ置き忘れたかのような懐かしい感じのする物語のようです実は。軽妙な文章なので見逃しがちですが。

それぞれの登場人物は、いろいろな問題や癖を抱えていて、それなりに深刻なのですが、軽妙な文体もあってか、気楽に物語は進んでいきます。展開に注目です。

硬質な文体は、まるでクリスタルのようで、その文章が形作る物語の世界観も密度が濃い作品です。

知らない間に、どんどんと読み進んでしまいます。なんでしょうか、この魅力は？

まるで宝石箱のようです。

まだ途中までしか読んでませんが、これかから二人がどうなっていくのか気になります。

現代の童話？　確かに教訓成分も若干含まれています。