あなたは自分が思うように生きていますか?
当たり前のように学校、会社に行き、流されるように勉強や仕事をする。友達や同僚に合わせて会話をして、上手く生きる為に笑う。
親にはお前の為なのだから勉強しろと言われ、良い大学、良い会社に入れと言われる。社会に出れば、逆になるべく目立たないように振る舞いながら、ただ上司の指示に従う。そして、意味もなく頭を下げる。
いつの間にか「すみません」が口癖になっていませんか?
そんな中でも自分らしくありたいと思いながら、少しでも強くありたいと願いながら、泣いていませんか?
沖田ねてるさんの『ダレカノツゴウ ~勝手に異世界召喚で魔王にされたけど私は士官学校で青春したい~』は、自分らしく生きようと願う男の子の物語です。
自分で道を選び、学園で楽しんでいる主人公のマサトは、とても楽しそうですよ。
これからも困難はあるだろうけど、マサトを応援したくなる。そんな作品です(*´ー`*)
士官学校で生活を送りつつも、ちゃんとメインの話が進んでいき、楽しさの中に適度なスパイスが混ぜられていて、士官学校に入学した辺りから、ついつい、止まらず読んでしまいました。
メインとなるキャラクターたちは皆、何かしらの事情を抱え、それぞれの意思を持って士官学校に入学しています。それ故に、各々の個性が引き出されており、どのキャラにも愛着が湧きます。
また、細かな設定まで詳細に作り込まれていて、厚みのある世界観が魅力的です。主人公たちの裏で起こっている話や、敵陣営の動き、時には脇役のストーリーさえも描かれます。
主人公の辛い心情に関する描写は特に丁寧で、逆境の中でも自分の信念に基づいて行動する主人公を、応援したくなる作品です。
事情もあり、序盤は自分の意思を抑え込んでいるのですが、だんだんと、男子ならではの欲望に染まっていく姿には、思わず笑みが溢れます。これぞ、まさしく青春。
主人公は魔王に適しているという理由だけで魔王として育てられる。それに疑問を感じながら、厳しい教育にも自分が悪いと言い聞かせながら必死に耐えます。そして、奴隷の少女を助けたことをきっかけに物語は大きく動いていく。
最近の某弱キャラ○○みたいにヒロインが主人公に自分の考えを押し付けるようなとんでもアニメと違って自己啓発って本来こういうことだよなと。自分らしく自分がより幸せに生きていくこと、それは他の誰でもない自分にしか出来ないこと。どうせ変えることが出来ない他人の幸せより、ね。偉い人は言いました。「助ける?そりゃ無理だ。君が勝手に自分で助かるだけさ」そんな当たり前なことを忘れている人って結構いるんですよね。
その点主人公はかっこいいですねえ。
あと、自分が魔王だと正体を隠して士官学校に入るのも怪盗の正体を隠して学園生活を送るP5の主人公達みたいでカッコイイです。
これからの展開が楽しみです。
現実の世界でもっとも身近な人間、家族の都合に合わせて生きてきた主人公マサト。
そんなマサトが唐突に異世界へ召喚される。
そして待ち受けていたのは、更なる残酷な誰かの都合でした。
始まりからとても酷い環境下でマサトの心が潰されていく心理描写をとても丁寧に描かれていて、これだけで彼の幸せを願わずにはいられませんでした。
そしてそれを更に際立たせるのが、マサトの丁寧な語り口調の一人称です。
彼の強く柔らかな優しさがとてもよく伝わります。
そしてマサトは自分を尊重してくれる人達と出逢い、ゆっくりと自分を取り戻し始めます。
主人公と同じく、誰かの都合で自分の人生が大きく変わってしまった人達と共に、マサトはどんな道を歩むのか、これからも目が離せません。
たまに垣間見せる、思春期の男の子ならではのマサトの言葉にクスリとしつつ、熱い展開の戦闘シーンも魅せてくれるこちら作品。
王道だけれどオリジナリティ溢れる物語を、皆様も是非堪能して下さい。
かつて、身体がぴったりだからという理由で魔王にのっとられていた主人公。
魔王として育てられます。
奴隷の女の子を助けてから、主人公の世界が変わっていきます。
逃げて自分を取り戻そうとします。
魔王だということを隠しての、人国での学園生活。
戦争を終わらせたいという願い。
魔王に召還される前も後も期待された苦悩。
悪いやつらと対峙したときに、解放される魔王の力。
黒炎などの魔王でなければ操れない力。強いです。主人公無双です。
黒炎噴(B.F.ブースト)などの技もかっこいいです。
熱い展開。
痣の侵食など、主人公を蝕むものもあります。
敬語調の文体がいいです。
優しいマサトが魔王の力とどう向き合っていくのか、続きも期待です。
誰かのレールの上を走らされるーー主人公と似たような経験は、誰しもあるのではないでしょうか。
しかも主人公が自分の道を行くと決断する時、とても勇気のある行動だと胸を打たれました。
同じような経験があるからこそ、感情移入してサクサクと読み進めてしまいました。
あと、Web小説ではあまり見ない(自分が読んでるものが偏ってるだけかと思いますがw)丁寧口調な主人公視点の文体も、なんだか明治大正文豪の本を彷彿とさせ、懐かしくも一周回って新しいなと思いました。
マサトくんの育ちの良さを感じさせ、尚且つ彼の優しさが全面に伝わる文体で好きです。
厳しい両親は自分達の思うような結果が出せなかったマサトを見限り事実上捨ててしまう。
そんな彼が異世界転移を果たすがなんと瀕死の魔王に体を差し出せと言われ無理矢理乗っ取られる。
それから3年の時を経てなんと魔王は消滅し力だけ残してマサトまさかの復活! くるか快進撃! 無双!
と思いきや魔王らしくあれとまさかの教育スタート。両親のがかわいく思えるほどの教育にこうなったのは自分が悪いのだと考え出すマサト。
きっかけは奴隷の女の子を助けたとき。その子がマサトのことが心配だというその言葉。
マサトがマサトという人間を認識した瞬間、世界に色が付き始めたようなそんな感じを受けました。
この物語は1人称視点で、~です、~ます、~でした。といった丁寧な語り口調で語られます。これが真面目なマサトらしい。
そして登場人物も一癖も二癖もあり、真面目な語り口調やマサトとの温度差がいい感じで笑わせてくれます。
王道のようでどこか違う、マサトの行く末を見守っていきたいです。
魔王の器となるため異世界に召喚された少年が、制御の難しい力に苦しみながらも成長し、王道を目指す異世界転生系ファンタジーです。
地の文は基本的に主人公マサトの一人称ですが、彼の性格を反映した「ですます調」で語られるという珍しいもの。
エリート家庭で厳しい期待に応えながら中学生活を送ってきたマサトは、高校受験に失敗し、両親から見放されてしまいます。気落ちしながらもはじめて得た自由を謳歌すると決め、滑り止めで受かった高校の新生活を楽しみにしていた彼は、しかし入学式の前日に異世界へ引きずり込まれてしまったのでした。
召喚者の目的は、魔王の魂と相性がいい身体を得ること。ここにも、マサトという人格の居場所はありません。
しかし三年後、意識を乗っ取り身体を自由に使っていた魔王が死んだことで、彼に転機が訪れます。
果たせなかった、高校入学。街で出会った奴隷エルフの少女。思いがけない人国の者たちとの出会いと、彼らが口にした想いや未来の可能性。
魔族に恐怖で支配され自分の道をあきらめていたマサトは、幾つかの出会いと別れを切っ掛けに、「士官学校」への憧れを強く抱くようになります。
彼の内側には魔王の力があり、誰にも知られるわけにはいかない。それでも、今度こそは青春を謳歌したい――。
苦悩の多い始まりと悲しみの多い旅の果てに、彼は個性的な友人たちを得ることになりますが、物語が動き出すのもそこからです。
ちょっと変化球、されど異世界転生の王道も押さえた、バトルファンタジー。ぜひご一読ください。
読み始めはよくあるチート異世界転生ものかと思いました。
ですが、実際は優しい青年が魔王の力を持つことになり……。
魔王の力も一種の呪いとなり満足に扱えず……。
苦しみながらも前へと進む物語です。
キャラクターも魅力的で主人公である優しい魔王――マサト。
マサトを支える奴隷エルフ――オトハ。
理屈ではなく直感を信じる没落貴族――デカチチ……ではなく、マギー。
口は悪いが根はいい奴――兄貴ことエドワル。
まだ物語は始まったばかりですが、ファンタジーが好きな方にはお勧めの作品です。
文章もまとまっていて情景や戦闘シーンなども読んでいてわかりやすいです。
是非とも読んでみて下さい。