概要
優柔不断の女子高生・證大寺《しょうだいじ》キョウカは、ある夜、クラスメイトの理系男子・水城《みずき》ユキと互いの秘密を共有してしまう。彼に誘われるまま打算で訪れた理科室で待っていたのは、夜に活動する妙な理科部員たち。
進路も部活も彼氏も、なんでも二股の親友〈カサネちゃん〉(本名です)
キョウカ憧れの先輩、天文ドーム「瑛璃庵《えいりあん》」のイケメン当主〈星の王子さま〉
天文部の吸収合併を画策する理科部の部長は、頑固な芸術家〈岩子一徹《がんこいってつ》〉
理想と現実、友情と恋愛、抹茶ババロアとぜんざい、そして、出会いと別れ。決して両立することのない〈表〉と〈裏〉に翻弄されてゆく5人。
月面基地に残されたかぐや姫の記憶データを取り戻すため、皆既月食の夜、理科部の5
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!見えない月の裏側と、地球の関係性について。
天文学者を父に持つ女子高校生が主人公の、月を巡るSF(少し不思議)系小説。主人公は理科部に間借りする天文部に入部した。この天文部には、昼部と夜部があった。主人公は星や月が良く見える夜部で活動していた。そこには、主人公が恋する先輩も在籍していた。優柔不断が代名詞ともいえる主人公は、悩みながらも打開策を講じていく。
そんな主人公の高校に、主人公の父の弟子である新米女性研究者が現れ、主人公とその同級生に、研究の手伝いを依頼する。「輝夜姫伝説」にちなんだ課題を出され、主人公はその課題に取り組み、良好な成績を収める。しかし、この女性研究者は大事なことを最後に言う癖があった。その大事なこととは、女性…続きを読む - ★★★ Excellent!!!今こそ読みたい!
SFを「少し不思議」というセンスが、分かる人には分かる優しさ、ワクワク感を漂わせるこの物語、その印象通りの柔らかさがあります。
嘗て青春モノにSFの名作が多々あった時代の不思議さを感じられます。主人公も、主人公の彼女も、どこか影のようなものを感じるけれど、それが不穏なモノではなく好奇心を掻き立てられるものであるのも、身を乗り出してしまいそうになります。
皆が通ってきた道を描いていると思います。通っていないとしても、通ってきたと思ってしまう文章が、ここにはあるからです。
数学のこと、物理のこと、天文のこと…それらを自分が通っていなくても、この一生懸命さにハマる事、請け合いです。 - ★★★ Excellent!!!理系の青春と実験(戦い)の物語は、月の綺麗な夜に
フォローいただいたご縁でこの物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
優柔不断な主人公の彼女が、打算的な関係でとある男の子と一緒になるところから始まる物語。出される課題、交差する思い。それぞれのキャラクター達の関わりが物語を紡いでいき、伏線を回収しつつ、ラストでそれらが一気にまとまっていくというこの構成は、お見事としか言いようがありません。
作者様の知識量の凄さによって作られたSFチックな世界観も、この物語の醍醐味の一つと言えます。話が終盤に向かっていると思われる今、もうこの先の展開が楽しみで仕方ありません。
恋愛SF青春物語。読まなければ損というも…続きを読む