概要
東京の下町で普通の高校生活を送り始めた彼女だったが、
元管制官・五十嵐が、国際犯罪組織の手で殺害される。
失われた日常、暴かれる社会の闇――臓器売買、人身売買、政界の黒幕たち。
かつての仲間・玲子や、ひたむきな同級生・柴山蒼司の助けを得ながら、
詩乃は“兵器”としての本能と、“人間”としての心の間で苦しみ、戦い続ける。
どれだけ傷ついても、もう一度“普通の日々”を手に入れたい。
裏社会と権力が渦巻く近未来の東京で、
痛みを知り、ヒトの温かさを知った少女が辿り着く「生きる意味」とは――?
近未来サスペンス×青春ヒューマンドラマ!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!喫茶店から始まる──声なき少女の光への疾走
胸に静かに火を点す序盤──⋯
会員制サロンの緊張と
商店街・純喫茶の温度差が
まるで対位法のように響き
物語は
「声を持たない者が光へ向かう」テーマを
都市のざわめきと生活の匂いで
丁寧に立ち上げます。
人物は〝抑揚を学ぶ〟少女のまっすぐさと
現実的で苛烈な世界の手触りが同時に描かれ
台詞の節度と格闘描写の合理性が
キャラの倫理を裏打ちしてくれます。
改変史的な舞台や固有名の精度も高く
読者の視覚と聴覚を強く刺激します。
特筆すべきは「大切な話は喫茶店で」という
小さな日常ルールが
やがて心の支えへ変わっていく仕掛け。
痛みを抱えながらも
怒りと優しさを正面から言語化する姿が
頁を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!走れ詩乃! 駆け抜けろ子羊! 闇を振り切り、何度でも生きるために───
何気なく読み始めました。すると冒頭から緊迫感あるシーンと圧巻の描写力に、まず胸倉をガッと掴まれました。
そしてそこからは全30話を一気読みです。許されるなら3個だけなんていわず、★300ぐらい付けたい。それくらいこの物語に引き込まれて、主人公である詩乃たちの活躍を手に汗握って応援していました。
コメディ混じりの日常と、生き死にを賭けた非日常の緩急が読む手を止めさせません。しかし主人公の詩乃が命を賭ける理由は、そのありふれた“日常”のためにあるのです。
詩乃と関わりある玲子や蒼司との会話はおかしみがあって、読んでいてつい笑ってしまうシーンもあるのですが、それだけにこの微笑ましい日常に背後…続きを読む - ★★★ Excellent!!!日常の温かさと不穏な影が交錯する、緊張感のある物語。
まだ途中までの読了ですが、この時点でとても惹かれる作品だと感じたのでレビューを残します。
商店街や学校といった身近な日常の描写がしっかりしていて、その中に少しずつ不穏な影が差し込んでくる構成が絶妙です。
特に主人公・詩乃のキャラクターが印象的で、普段は普通の少女として過ごしているのに、いざという場面で迷いなく踏み込む姿に強さと危うさが同居していて目を引きます。
「子どもを巡る闇」と「日常を守りたい気持ち」が物語の両輪になっていて、そこに彼女自身の成長や揺れが自然に絡んでいくのが面白いです。
まだ序盤ですが、先の展開がとても気になる作品です。 - ★★★ Excellent!!!リアルすぎる闇社会と少女の戦い――圧倒的臨場感のサスペンスアクション。
緻密なリアリティで構築されたサスペンス・アクション。
人身売買や臓器密売といった闇社会の生々しいディテールが、作中に散りばめられた専門的な用語や手口とともに描かれます。そのリアルさはフレーバーにとどまらず、登場人物の行動原理や決断に重みを与え、物語全体を“ありえる現実”に引き寄せています。
そして中心にいるのは「白い子羊」=少女たち。兵器のように扱われながらも、友情や痛み、喜びを確かに感じ取ってしまう彼女たちの姿に胸が締め付けられます。
壮絶な銃撃戦や諜報戦を経てたどり着く結末は、ただの勧善懲悪ではなく“人としてどう生きるか”という問いかけに満ちています。
リアルな描写に緊張しながらも、読み…続きを読む - ★★★ Excellent!!!辛くて苦しくて……、ただ彼女の幸せを祈り続けていました
本当に良かった。書籍化やドラマ化、映画化すべきと思ってしまうレベルで素晴らしい作品でした。
初っ端から洋画を思わせるような展開の数々。日常と非日常の描写。キャラ同士の掛け合い。そしてストーリー。
どれをとっても文句の付け所がなく、私の心を夢中にさせました。
今こうしてレビューを書く手も、余韻で震えてしまっている始末です。
あまりネタバレは嫌いなので、詳細は記しません。ぜひ、この作品を読んで、主人公の奮闘を知ってほしいと思っています。
そして彼女の幸せを、共に祈ろうではありませんか。
最後に一つだけ、この素晴らしい物語を書いてくれた作者さんに感謝を。
本当に面白く、最後ま…続きを読む