概要
旧世紀の末、人の世は一度終わりを告げた。蒼天の彼方から襲来した『天使』と呼ばれる有翼生物の群れによって、突如として絶対的支配者の座から蹴落とされたのだ。
いくつもの国や地域が消滅し、九十億とも百億とも言われる人口は半減した。文明は大きく後退し、国同士の連絡網は寸断された。
追い詰められ文明水準が大きく後退する中、人類は新たな希望を見出した。かつて自分達はそのような戦場で戦ってきたではないか――――
『悪魔』と呼ばれる有翼生物と手を結んだ一部の人類は旧世代の航空機とともに、彼らの力を受け継ぐ『魔女』を育成し、戦場に投入した。その多くが年若い少女であった――――
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!地球とよく似ているけど別な歴史を辿った世界での1人の女の子の戦いと日常
天使と呼ばれる謎の生命体の出現によって人類が追い詰められた世界。
全人類が一致団結しているかというと、進んで天使の軍門に降る国もあり、基本的な文明レベルは1950年前後にまで後退しています。
そんな中で特殊な装置を背に空を飛び祖国を守ろうとする少女たち、それが魔女です。
主人公のミサキは他の魔女とは違う特別な装置を背負う以外はごく平均的な能力です。
物語の序盤ではあまり強くありません。
戦いの中で心身ともに成長してきます。
それでも毎回薄氷を踏むような勝利。
戦いと戦いの間には女の子らしい日常風景が紡がれます。
果たしてミサキたちに平和な未来は訪れるのでしょうか?
その目でお確かめくださ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!明るい日常と残酷な非日常の美しいコントラスト
人間が天使に蹂躙されている世界。
他の国が天使に支配される中、マヤ皇国はいまだ抵抗を続けていた。
そこで、魔女と呼ばれる少女たちは、悪魔の遺体を利用して作られた特殊飛行ユニットを使い、空を飛んで戦う……。
ざっくり言うと、そんな作品です。
どのキャラも個性的で悲しいバックボーンもあって、魅力的です。
そんなキャラたちが戦争に参加し、敵と激しく戦うことになります。
彼女たちには素敵な友人がいて、明るい会話があって、楽しい日常があるので、戦かっているときとの差が大きくて悲しいのですが、だからこそキャラたちに愛着が湧き、強く感情移入してしまいました。
戦闘描写は丁寧であ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!天使が人間の敵に回り、追い込まれた人間たちを悪魔が助ける終末の世界
この世界では、天使は人類の敵だった。
主人公のミサキ・カナタ准尉はまだ16歳の少女。彼女は飛行ユニット【ウェリエル】と共に空を駆け、敵である天使たちを撃墜する任務を負っていた。
襲来する美しい天使たちに対抗するのはいずれも若い女性で、ミサキと女性たちは魔女と言われている。その理由は飛行生物・悪魔と共に戦い、悪魔の力を借りて空を飛ぶからだ。
感想:5話まで読みましたが、空での戦闘シーンの迫力、神話の中の天使が敵、悪魔が味方という逆転設定、そして、追い込まれる人間たちの悲劇や、悪魔と人間との繋がりのドラマが、一つの堅固な世界感を作り上げていて圧倒されます。
すごい作品です。おすすめです🛬 - ★★★ Excellent!!!終末の空を舞う聖と魔、少女たちは祖国の希望となるか
遥かなる天空より飛来する天使──彼等に蹂躙され、大きくその数を減らした人類。
追い詰められた人類の一部は、天使と長らく敵対してきた悪魔と手を組み、反攻作戦を開始する。対する天使も、自らに服従した国家を従え、将来の禍根を断たんとしていた。
聖と魔の代理戦争──そこに駆り出されたのはまだあどけなさの残る少女たち。
迫り来る死と恐怖……それでも少女たちは終末の空を舞い、天使と敵国に牙を剥く。祖国に安寧を取り戻すため。天使に怯えることのない、穏やかな日常を再び手に入れんがため。数多の戦場と穹を翔ける。
史実の戦史に裏打ちされた設定・展開は重厚かつリアリティがあり、そこに等身大の少女たちの姿が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!空を翔け、天使を狩る
天使からの無慈悲な蹂躙に抗うため、少女たちは悪魔と手を組み、魔女となって戦場に飛び立つ。
描かれるのは容赦なく襲撃を繰り返す天使との戦争。重厚で迫力と疾走感のある戦闘描写と血生臭い犠牲が生々しく想起されます。
年若いうちから重い使命を背負わされた少女たち、政治家の思惑、彼女たちに守られ生きている民衆たちの心理……それらが淡々と落ち着いた文章の中に濃密に描かれています。少女たちの、悲壮感だけでない、年相応の明るさや人間らしい仲間意識に救われながらも、胸が締め付けられます。いつか彼女たちが平和に空を見上げられる日が訪れれば良いのですが……。
決して綺麗事だけでは終わらない壮絶な戦い。ひとた…続きを読む