終末の空を舞う聖と魔、少女たちは祖国の希望となるか

遥かなる天空より飛来する天使──彼等に蹂躙され、大きくその数を減らした人類。

追い詰められた人類の一部は、天使と長らく敵対してきた悪魔と手を組み、反攻作戦を開始する。対する天使も、自らに服従した国家を従え、将来の禍根を断たんとしていた。

聖と魔の代理戦争──そこに駆り出されたのはまだあどけなさの残る少女たち。

迫り来る死と恐怖……それでも少女たちは終末の空を舞い、天使と敵国に牙を剥く。祖国に安寧を取り戻すため。天使に怯えることのない、穏やかな日常を再び手に入れんがため。数多の戦場と穹を翔ける。

史実の戦史に裏打ちされた設定・展開は重厚かつリアリティがあり、そこに等身大の少女たちの姿がありありと目に浮かぶような精緻な文章が彩りを添える。

少女たちは、祖国の希望となるか。そして人類は天使に打ち勝つことが出来るのか──

非常に完成度の高い戦記物語。

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