人と違う生まれを持ち、周囲から枯れ木と呼ばれていじめられていたシエラ。だが、孤児院で兄のように育ったユーリと育ての母の愛をうけ、逞しく育っていく。そんなある日、盗賊に孤児院を襲われ、助けを求めた先で一人の男と出会う。彼との出会いを皮切りに運命は動き始め、やがてシエラは国を巻き込んだ事件にその身を投じていく──
特筆すべきは世界観やキャラクターの練り込み具合が半端ないことです。特にキャラクターの作り方は、個人的にWEB小説では類を見ないと思った程。一人一人に役割があり、誰が欠けてもチームが成り立たないと読者に納得させる力があります。
だからこそ、キャラクターと共にスッと物語に入り、彼らと一緒に一喜一憂しながらページをめくることができます。
熱狂的なファンがつくのも頷ける面白さ。
長めの物語ですが、最終戦の緊迫感と没入感はぜひ読んで味わってもらいたい!
また、主人公のシエラが愛情をたくさん持っている子でたまらなく可愛い。
この世界には人種という概念がありますが、人と違うことにより孤児院でいじめられていたシエラは、どの人種であっても平等に仲良く笑い合える世界を望むようになります。物語の世界だけで完結するのではなく、読者にも勇気をくれる言葉がたくさん書いてあるのもこの作品の特徴。
1から10までどっぷり浸かってもらいたい本作品。ぜひ一度はお手にとってみてください。
人種差別的な内容を含む作品です。ライオット、レムナント、シルバー、ガーネット、などなど、人種ごとの階級がある世界。
ある人種が「この人種には価値がない」として暴政を強いたり、命を無下に扱ったり、自分が特別だと思うことは当然だというような思想を持ったり。僕たちのいる現実世界でも起こっているような問題を、童話のような語り口で丁寧に書いてくれます。
作中に色濃く出るのは「人種差別」的な思想だと僕は思いました。主人公たちはこのある種の「選民思想」に抗っていく。
この作品は、本当に自由だと思います。同時に愛の塊でもある。
全ての人間を平等に愛して、その自由を守り抜く。
作中の「田中龍人」というキャラクターに僕はとてもシンパシーを感じました。自分の知識欲のままに振舞う。主人公のシエラが愛の象徴なら龍人は自由の象徴だった。
本作において描かれる愛は本当に平等です。それは全員に同じ下駄を履かせる、という意味ではありません。一人一人の個性に合わせて、高さの異なる下駄を履かせて、同じような景色……一つの理想を見せる。そんな公平性です。
作者はきっと、どのキャラクターも大好きなのでしょう。個性豊かなキャラクターたち。あなたもきっと、誰かを好きになるはず。
気になった方はぜひご一読を。
枯れ木と呼ばれ蔑まれてきたシエラ。
その呼称は、彼女の容姿が関係していた。
故郷の人々と違う容姿を持つがゆえ、石を投げられることも。
それでも彼女自身を見てくれたのは、孤児院で共に過ごす家族だった。
愛情深く、子どもたちを見守り育てるユリミエラ。
シエラの兄貴分で、真っ直ぐな明るさを持つユーリ。
そして、孤児の子どもたち。
木から生まれたと噂される少女は、それでも幸せな毎日を過ごしていた。
そんな日々に、波紋が浮かぶ。
盗賊により、家族が拐われてしまったのだ。
助けを求めるため、ユリミエラに逃がされたシエラとユーリ。
ユリミエラの指示で向かった先にいたのは───?
これは、壮大な革命史。
人を傷つけることを嫌う、優しい少女の大活躍。
希望と絶望の先にあるのは、光か闇か。
幾つもの出逢いを経て、少女と仲間は誰も知らない進化を遂げる。
最後まで、手に汗握り、幸せを願わずにはいられない。
そんな、光を目指す戦いの物語。
本作の主人公シエラは生命の樹から産まれた白い髪の女の子。
彼女はその怪しすぎる出生や髪色から村の人にいじめられることもしばしば。
しかし、それでもシエラは自分が育った孤児院の仲間と平穏な日常を送っていた。
そんなとき、孤児院が盗賊に襲われる。
そして、その出来事は物語のほんの序章に過ぎないのである。
シエラはこの出来事をきっかけに新たな仲間に出会い、己や世界の真実について少しずつ知ることになる。
数多の試練の末にシエラがつかみ取る未来とは……。
以上が概略である。
この作品の魅力は作りこまれた世界観だ。
おそらく作者の中村様は実際にこの世界に住んでおられるのだろう。
そう思うくらいリアルなのだ。
この物語のキーポイントの一つである魔力についてもしっかりとした設定があり、作中人物の発言やコメント欄での作者の補足コメントでより深く作品を理解することができる。
また、心理描写や情景描写が逸脱だ。
ゆえに、物語の中に自分が入り込んでいるかのように感じるだろう。
個人的には、食事のシーンがお気に入りだ。
思わず食べてみたくなるような料理が出てくるのだ。
……残念ながら、ジャウロンは現実にはいないので食べることはできないのだが。
そして、なにより作者の中村様はコメントで質問をするときちんと的確に返信してくださるので、これから読み始める皆さんはぜひコメントしてみるといいだろう。
主人公のシエラを中心に、とにかくキャラクターが魅力的。
純粋な心を持つ少年少女から、一癖も二癖もあるマッドサイエンティスト(?)まで。
物語が進むにつれ大所帯になっていっても、きっちりと書き分けられた個性は色褪せない。
ストーリーも常に明確な目的が提示されるので、この先を期待しながら読み進められる。人物の知られざる過去や世界に隠された謎など、飽きさせない工夫が読者に優しい。
悲しい過去や恵まれない境遇にもめげず真摯に生きるキャラクターたちの姿は逞しく、心が揺さぶられる。励まし合う仲間たちに、心を熱くせずにはいられない。
愛の込められたキャラクターたちが舞う世界をぜひ堪能しよう!
明るく元気で純粋で、ちょっと食いしん坊な(笑)女の子シエラちゃんが主人公の地球の未来を描く物語です。
その練りに練り込まれた物語の核となる設定が本当に素晴らしく、読み応えたっぷりです。
そして、魅力的な登場人物たち!!
これは決して忘れてはなりません。
個人的に大好きなサミュエルという登場人物がいるのですが、彼が出てくるだけで心が激しく踊ります!!
あとほっとけないイーヴォという彼もいます。
彼を家に連れて帰ってずっとお世話したいです(笑)
アイザックも大好きで、みんなよりちょっと年上だからか、本人も気にしてる感じがあり、そこも可愛く(笑)、でも能力を使う時はとにかくかっこよくて!
龍人という凄まじい人物(笑)がいるのですが、読んだらきっと彼が頭から離れません!!
他にも様々な魅力溢れる登場人物がたくさん出てきます。
使う攻撃もみんなとにかくカッコいい!!
物語にもドキドキさせられる最高な作品です(*^^*)
今自分達が暮らしているこの世界についても考えてしまうというテーマ性も大きい作品です。
ぜひこのワクワクな物語に触れてみてください!!
まず、とにかく文章が上手い。読みやすいのは元より、キャラの個性がしっかりしているので、”〇〇は口を開いた”のような記述がなくても、誰のセリフかがわかる。もう、彼らは実在してるというレベルで作者の脳内でキャラが生きてますね。なので、場の雰囲気がストレスなく伝わって来て、気づくと世界の中に没入出来ているという。
時間感覚も長いし、かなり深みのある世界設定で、用語もこの世界独特なものがあるのですが、それが会話やちょっとした表現で、違和感なく、読んでるうちに理解出来て、とにかく自然。つらつらと世界観を説明されないので、退屈なシーンがないです。
キャラのやり取りや、情景を純粋に楽しんでいける。しかもストーリーが面白い。シエラの生まれの秘密だけでなく、他のキャラも謎めいた部分があって、その力も、とにかく気になって、次の話を、時間の限りどんどん読み進めてしまいます。
時々、飯テロ的に美味しそうな食事シーンが出て来るのが、要注意でしょうか。腰を据えて読むなら、飲み物とおやつを用意しておくことをお勧めします。
作者さんのそのほかの作品として、スピンオフ的な番外編、短編もあるため、キャラをより深く知りたい場合も至れり尽くせりです。
遠い先の話です。
孤児院のシエラとその兄ユーリが不思議な世界で幸せに暮らしていました。
けれども、孤児院が襲われた為、母に地図を託されて逃げるしかありません。
そこで出会った人はサミュエルと言いました。
あるとき、サミュエルとシエラの心を通じあわせるものがありました。
クロムオレンジのときです。
愛情についてなのでしょう。
孤児院の母を失ったこのとき、シエラは胸がきつかったと思います。
けれども、サミュエルのひとつひとつの思い遣りが沁みて来ます。
そして、クロムオレンジが綺麗であたたかいアイテムとして巡っています。
私は、このときのシーンを色鮮やかであたたかく感じました。
是非、ご一読ください。
一万年後の地球、そこは魔力が――より強い魔力が、それを持つ者が上に立つ秩序が形成されていた。
魔力を持つ者、それは生まれにより、血により決まる。
そんなポスト・アポカリプスの世界の片隅に生きる少女、シエラ。
彼女は孤児院に育ち、その外見から「枯れ木のシエラ」と呼ばれていた。
しかし、シエラは、ユーリをはじめとする孤児院の人々や、その孤児院の危機に知り合った孤高の男サミュエルといった、個性豊かな人物と巡り合い、触れ合い、時に反発し、時に繋がり、その出生をめぐる謎を、魔力を持つ王の打倒を目指し、奮闘する。
「生命の樹」から生まれたとされる、シエラの出生の謎とは?
この世界を支配する者たち、その魔力を持つ血――ゲノムとは?
謎を追い求めるシエラと仲間たちの冒険が繰り広げられ、あたかもゲノムの螺旋のごとく、謎と冒険とが絡まり合い、読む者を飽きさせません。
今、佳境を迎えようとしているこの物語、ぜひ、ご覧ください!
主人公であるシエラの出生に迫るお話しで、物語が進むにつれ魅力的な仲間たちが加わり、同時に謎も深まってくるので読んでいて飽きないです。
また、ジャウロンや灯花などのファンタジーを彩る食べ物やアイテムが出てくるのもポイントです。
個人的に好きなのは、サミュエルという男の住まう小屋にたどり着くも、1度は門前払いを受け、どういうわけか門前払いしたシエラ達を守るべく飛び出してきて、追ってである盗賊を退けるところですね。
タイトルのゲノムという部分には後半になってから関わってきますが、王道的展開が序盤でかなりあるので、熱い展開を期待してる方、ファンタジー好きな方はぜひご一読ください。
案外、人生観変わりますよ。
本作は文明崩壊後の未来世界を舞台として、植物から生まれたという白髪の少女が自身の力や秘密と向き合いながらも、懸命に生きていこうとする物語です。
孤児院で母や他の孤児たちと暮らしていた少女でしたが、その力に目をつけた盗賊に襲われ、兄とともに魔法使いの家へと逃げ込みます。
最初は無愛想な魔法使いに不満げな二人でしたが、そこに世界の秘密を知る女性も加わり、二人は人質とされてしまった家族を助けるための修業に励みます。
そして、時折見え隠れする魔法使いの不器用な優しさに触れ、自身の存在を肯定できた少女は、兄や女性とともに救出作戦に挑むのでした。
果たして、少女たちは無事に家族を救うことが出来るのか。少女の歩む先にはどんな未来が待っているのか。
近未来もの、魔法もの、そして頑張る少女が好きな方には特にお薦めの作品です。