竹尾 錬二

三度の飯より釣りが好きな下級武士高田次郎衛門は、南町奉行所の定町廻り同心である。次郎衛門はある日人語を話す猫と出くわすが、それは永い時を経て成り上がった化け猫だった。自主企画「も…

薬丸自顕流。幕末期に猛威を振るった、一撃必殺の豪剣。 ——果たして、その真価やいかに。

死にかけた俺の体が機能を停止しようとしている。だが最期に……

「300文字の死」という自主企画に参加した掌篇です。

自主企画「300文字の死」によせて書きました。

巧い文章を真似しようと思った。でも文章の合う合わないってなんだろう。そもそも読書中、頭の中で何が起ってる？　そんな評論ともエッセイともしれないものを、つらつらと…。 異論、反論、…

播磨明石に在住する宮本伊織は、小笠原忠政の近習を勤める若き英才である。しかし彼には頭を悩ませる身内がいた。その人は宮本武蔵。恐れ多くも主君に斡旋されて彼の養父となってくれた高名な…

人類の性愛と生殖について、来し方は既に見た。では今と、行く末は？　第一回先行小説杯参加作品。

ネブラスカの田舎町で、ぼくは毎年春にこの町へとやってくるジェシーを待っている。根無し草のジェシーは、ぼくがいっとう憧れる大人だった。第五回こむら川朗読小説大賞参加作品。

異世界の妖精姫の声を聞きながら、彼女を本の世界から解放するために魔法の本を読み続ける。 彼女が居なくなってしまうかもしれないと、無茶をして本を読むが、懸念は現実に！ はたしてその…

店長不在のバーにひそむ化け物。 確実に化け物が潜んでいるという恐怖に打ち勝って、脱出を果たせるか？

田舎はクソ

これは夢だ。 僕は現実を忘れていた。 だから僕はきっと現実に未練のない人間なのだろう。 ※第五回こむら川朗読小説大賞参加作品

第一回遼遠小説大賞参加作品。

90年代の伝奇小説好きが、死後に悪役令嬢として現代に黄泉帰る。 彼女のいくところ、魔戦が繰り広げられるのだ。そして、B級グルメなども楽しむのであった。 そんな、よく分からない物…

1ヶ月間、KAC2022と公募に挑み続けたちっぽけなアマチュアにもなれない作家気取りの物語。

カン違い。 それは誰にだって起こり得る。 問題はそれに気が付いた時、自分がどう振る舞うかなのである…… ※残酷描写あり

天保11年。 かの五尺竹刀の使い手である大石進が、二度目の江戸出府し、老中首座の水野忠邦の邸宅に招かれた。 その中に、かつて彼に敗れた一人の剣士の姿があった。 彼の名は常政子こ…

最近話題のファミレスで下世話な話題で盛り上がる僕と2人の友人。そこで明かす僕の悩み——誰かに求められる作品をつくる人間になりたい。そんなアマチュア作家ならではの悩みを中心に繰り広…

※後半から良識があり優しい人が読んだら心を痛める描写があるかもしれない。レイティングが必要か判断付きませんでした。 何かあればコメントまで下さい。 ※2021.11.はてなイ…

「この村な、今の時期は尺八様っちゅう、淫乱ド変態妖怪が出るから気ィつけぇよ」

メロスが激怒し暴君ディオニスを暗殺しに行ったと同じ頃合いに、 俺もまた激怒し誰でも良かったのでむしゃくしゃして暴君ディオニスを暗殺しに行くこととなった。 メロスにはセリヌンティウ…

新美南吉『ごんぎつね』で、ごんがRTA（最速ゲームクリア）に挑むお話です。

二戸クリスは、いわゆるオタクのレッテルを貼られている！ マンガもアニメもよく見るが、しかし彼にそれが好きだということを表現する手段がなかった。 とある動画サイトで見つけた「アニ…

江湖の武人・陰月芳は、中原を遥か離れた山中で、一門を脱した妹弟子・朱雪雁の足跡を捉えた。追手となった兄弟の悉くを斬り捨てた朱と、陰は暫しの問答を交わす。然し、朱はやはり姉弟子へと…

とある地方都市に住み、古書店『久雅堂』を営む彼は、同時に何処にでもいるような半端な格闘技歴の若者である。柔道をやったり空手もやったり剣道もしたり、腰も坐らずふらふらとしている。 …

剣の達人に師事する若者が見たものとは？ 縦読み推奨。 これは鬼才、天才文章構築家にして造語製造家、秋山瑞人にどこまで迫れるか試す実験小説である。武侠物で新境地を見せたDRAGO…

掴めそうな陽炎、我が思い出の影である。

　あの日、星条旗のはためく合衆国の片隅で、私の父は自殺した。 　合衆国の敵から国家を守るため、無人機爆撃を実行し続けた父。 　その父を苦しめたのは、この国が長年続けてきた歪な戦争…

昔々、あるところに剣を一心不乱に振るう男がおりました。 あるとき男は、こう質問されました 「達人になってから戦働きをするのか？」 それに対して、男はこう答えました。 「その通り！…

＃拡散希望 よくあるハッシュタグを用いて、助けを求める文章が投稿された。 それを見たユーザーが、それぞれにアドバイスをしていくのだが……？ 1,500字ほどの非小説形式です。 …

『通う千鳥の鳴く声に』幕末期の地方藩が舞台。 17歳の少年・本多弘紀と22歳の剣道場師範代・秋生修之輔が主人公となる物語。 ある秋の日の出会いが切っ掛けで修之輔が師範代を務める黒…

元禄の頃の尾張、柳生家の次代当主である柳生厳延（としのぶ）は、正月の稽古始に登城した折り、見るからに只者ではない老人とすれ違う。いかにも剣の達人らしき様子に、丸に三つ柏の家紋を入…

ある女性が生み出した文章自己生成プログラムである”私”は、ある誤タイプから自我を持ってしまう。 意味を生成するプログラムとして生まれた”私”は女性とセックスを行う為、「実質セック…

<カクヨム3周年記念選手権 4日目お題> これは遺書である。認識が崩壊する世界へ、私が爪痕を遺すための。 ヒトが口から情報を吐き、次々に消えていく。 私の言葉があなたに届きます…

――昏い森の中に独り棲む、妖艶な美女。 そんな彼女の元を訪ねたのは、能面の様な顔をした騎士だった。 「やぁ、香煙の魔女」 「あら、ごきげんよう顔無しの騎士サマ」 この騎士は物…

圧倒的な暴力でボコボコに蹂躙されたい。しかも美少女に―― もはや手遅れレベルのマゾである俺は、必然性のあるシュチエーションにおける美少女の暴力を希求した。 己が肉を貫き、骨を砕き…

2018年にガレットWebに掲載されたSSです。800字の制限があったため非常に短い作品となっています。

女子会からの帰り道、私は超タイプの異性を見つけてしまった！！ つい立ち止まって目で追ってしまった私に、意外にも彼の方から話し掛けてきて…… 気付いたらもう、私と彼は一つになる寸前…

このおはなしはふぃくしょんです。 これはししょうせつではありません。 なぜなら、くうそうじょうのはなしだからです。 わたしたちはろんぶんのなかにも、えっせいのなかにも、しょひょう…

　人生のあらゆる情報を、バイオローグと呼ばれるデータに記録し、そこから‘死者の人格の再現’さえ可能になった未来。 　自分の身に一切頓着しない、変わり者の“篠路ミキ”と生活する‘わ…

学校の女友達に『口裂け女』が出るっていう噂を聞いた。 ははは。小学生じゃないんだから、そんなの信じるわけ……ってメッチャ追い掛けられるんですけど――！？ でもどうやら様子がおかし…

言語に絶する美少女・心臓痕硝子の投身自殺から約一年。彼女の魔性の瞳は死後も人々を囚えて離さず、学院には彼女が遺したとされる「呪い」の噂がまことしやかに囁かれていた。亡き心臓痕を幻…

幕末から明治にかけての生人形師に、松本喜三郎という男がいた。 彼によって「生人形」というジャンルは創り出され、そして彼の死によって終わった。 喜三郎の知らぬところで、その生人形…

ある朝、大型トラックが小学生の集団登校の列に突っ込み、児童４人が死亡する大事故となった。 現行犯で逮捕された容疑者は、心神喪失によって無罪を主張する。 被害者遺族は反省の色の…

ある藩で、男が殺された。 男を襲ったのは、藩内随一の剣士 彼は脱藩し、行方を眩ませる。 殺された男の弟は、仇討ちの旅に出た。 胸に憎しみの焔を燃やして

幼なじみのガールフレンドとはじめた「食用ガエルの養殖」！ 都落ちして田舎に帰った僕に ネジのはずれた幼なじみが提案したビジネスは 食用ガエルの養殖だった そのせいで僕は この…

蒸し暑い夏の午後、しなやかな素足に藍の鱗。 柔い生地のワンピース。締まった膝頭に絡みつく美しき蛇。 僕の頭に焼きついて離れない、遠い日の情景が夏ごとに甦る。 藤香。君の蛇は健や…

極道がその失策において小指を詰めるのは、運命の赤い糸を切るためである――。