概要
人類が情報を吐き、消えていく。私は世界に爪痕を遺したい。
<カクヨム3周年記念選手権 4日目お題>
これは遺書である。認識が崩壊する世界へ、私が爪痕を遺すための。
ヒトが口から情報を吐き、次々に消えていく。
私の言葉があなたに届きますように。
これは遺書である。認識が崩壊する世界へ、私が爪痕を遺すための。
ヒトが口から情報を吐き、次々に消えていく。
私の言葉があなたに届きますように。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!なぜ人は何かを書くと思う。
文字は残るから。
もしかしたら永遠に。永遠に近いところまで。
人は他者から観測される情報によって成り立っている。死者は碑文や伝記、家系図や遺書といった情報によって存在を認識される。生者であれば戸籍情報や発言、論文や映像記録などがそれに当たるだろう。どれも現代社会では電子化が進み物理媒体の価値は徐々に失われている。
ならばその情報を喪失したらどうなるか。
観測された記録が失われていくのなら、その人の存在証明は不可能である。
そんな世界の延長線で、主人公の身に何が起こるのか...それはぜひとも自分の目で見て確かめてほしい。sfとして素晴らしい思考実験作品だと思う。
あらゆるものが…続きを読む - ★★★ Excellent!!!震えるほどの恐怖と衝動――自分が消えたその先へ、遺せ爪痕。
カクヨムにいる全クリエイターに読んでほしい、というのが率直な読後感です。
自分が、あるいは誰かが死んでしまったとして。命はそこで終わってしまっても、その「存在」が、すぐに世界から完全に消えてしまうことは少ないと思います。
人は認識し、認識されながら生きています。出会ってきた人の数だけ、程度に差はあれ、彼らの心に自分の断片があります。自分の心にある大切な人の断片を、抱いて生きていくことができます。
人は情報を記録し、記録されながら生きています。これだけ情報化が進んだ現代なら、自分の存在の痕跡が世界中に散らばると言ってもいいと思います。
ましてやカクヨムにいらっしゃる創作者の皆さんは、それを…続きを読む