生痕化石

 生物が活動した痕跡、例えば足跡などの化石をそう呼ぶ。中原中也の詩も引用されている本作は、知的活動としての人類の生痕化石であろう。
 主人公の独白はドキュメンタリーとしての要素はもちろん鎮魂歌としての一面も持っている。ある種の生物が自らの極端な肥大化で滅んだように、人類は自らの極端な電子化で滅んだ。合掌。

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