メロスは激怒したが、俺も大概キレてる。

作者 春海水亭

1,070

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★★★ Excellent!!!

「走れメロス」を始めて手に取った時の感動を覚えている。
友情に篤く、困難を乗り越える勇気を持ち、狂おしいほど義理堅い。メロスと言う男は、友人を身代わりに仕立てがちな欠点を除けば最高の男だ。

彼は愚直だが、その行動で王を翻意させた。読者も感動した、お前も感動した。あの時の行き場のない行動力のような何かはどこへ行ってしまったのだろう。その時の瞬発力はどこかへやってしまったまま、俺は大人になった。

この物語は、その時の「意味不明な行動力」を煮詰めたような短編だ。
俺は、メロスとセリヌンティウスに感化され、自らの足で小さな一歩を踏み出す。
あの時に感じた、むやみな行動力が発揮され、さらに一歩進んだ感動を生み出すことができた。

メロスに感化された男に感化された俺は、どこへ向かうのか。
俺もメロスのようになれるだろうか。

★★★ Excellent!!!

もはや『走れメロス』というタイトルにふれると、この作品(『メロスは激怒したが、俺も大概キレてる。』)しか出てこない! 

それくらいインパクトがあります。

そこらかしこに笑いが埋めこまれているので、笑ったらいけない状況であるなら、ふきださないよう気をつけてください。

★★★ Excellent!!!

タイトルが内容のギャグ感を見事に物語る!

まじめにギャグをかます。いたって真面目なんです! シュール系だが、確実に笑いを取りに来る! 名作になんてことを。だが、それがいい! 主人公である「俺」を物語に加えるだけで、まさかこんなことになるなんて!
爆笑! 笑い死んでしまうこと間違いなし!

★★ Very Good!!

乱暴に(読めてるからよいバランスなんだとおもう。)世界を混ぜ込んできていて脳みそが混乱する。1話でルールは理解できて2話で応用。3話は融和。あとがきはズルい。あとは読んでほしい。私の力ではこの作品の面白さは伝えられないのだ。

★★★ Excellent!!!

ゆるくて上手いギャグと、「俺」のピュアで柔らかい心に切なくなりながら読み進めると、「人の心の弱さ」そして「人を信じるとは」という真面目なメッセージにいつの間にかハメられていく。ラストは全ての人が穏やかな笑顔で頷ける。読み終わった後の後味は、優しいミルクに爽やかなミントを入れたよう。

タイトルを見た時には、まさか泣かされるとは思ってなかった。冒頭で説明された何気ない設定が、思いがけずラストの重要な場面で笑いと感動になった。
この作品に出会えて本当によかった。
傑作です。作者様、ありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

かの名作に「俺」なる闖入者を加えることで、まさかの展開に……。その入り方が本当に絶妙で、最初に獲得したドライブ感が物語の最後まで保たれています。

一見、ネタ要素が強そうに感じられる作品ですが、読んでみたら印象が変わると思います。キャラクターは生き生きしていてコメディ部分も面白いし、人間賛歌を描いたストーリーも心に響きます。

内容を的確に表現したハイセンスなタイトルからも魅力があふれ出るパワフルな一作です。

(カクヨムWeb小説短編賞2020“短編小説マイスター”特集/文=カクヨム運営)

★★★ Excellent!!!

かの名作に当然のように紛れ込んだ「俺」が存在からしてカオス。
しかしネタまみれのギャグかと思ったら最後の最後で綺麗にまとめてくるのはずるいです……。
いやでもやっぱり最後までネタまみれではあるので何もかも卑怯。笑いました。

セリヌンティウスも王もこの世界の住人の戦闘力どうなってるの……?

★★★ Excellent!!!

磔にされ、身代わりとなってくれる友もなく、なんなら親兄妹もなく絶望的な状況下、暴君へ向けて"俺"は言った。

「俺はアナタと友になり、アナタを身代わりにしたい」

作中屈指の迷言にして名言である。

メロスが何度か激怒する、抱腹絶倒、落涙必至のハートフルランニングコメディ。

照れ隠しな後書きまで含めて必読。

★★★ Excellent!!!

「走れメロス」のメロスが走っている部分を全てすっ飛ばすことで、美味しいところだけを抽出しその抽出した部分に「俺」という知らない食材をぶちこんで、ありとあらゆる調味料をぶっかけた怪作。

唸る二刀流、轟く竜の咆哮、立ち昇る豪炎の果てに、そっと手向けられるのは一体誰への鎮魂の花か……

★★ Very Good!!

すみません、ごめんなさい。はじめに謝っていますのはタイトルが面白かったので読ませていただいたからで、正直申しますと中身は流し読みしちゃいましたごめんなさい。ほんですみませんでございます。

タイトルが好きだったのとそんな申し訳ない気持ちでそれぞれお星様をば二つ。最後の一つはそんな自分への戒めとしまして空欄に……

いやきっと中身も面白いです。
タイトルでくすりと来たら皆さんは自分のよーにパラ読みしないでちゃんと読んでみて!