『走れメロス』× 俺 = 爆笑&感動のヒューマンドラマ?!

『走れメロス』は、言わずと知れた太宰治による名作でしょう。教科書などで読んだという人も多いはずです。学生の頃、単純な男・メロスの生き様に笑ったり泣いたり突っ込んだり……え、「俺」?
なんとこの物語、『走れメロス』の中に、「俺」というどこかで見たことのあるような男を放り込んでしまったのです! その結果巻き起こされるのは、読者の腹筋を崩壊させるような爆笑必須の展開の数々。そう、『走れメロス』と「俺」という、誰もが予想しなかった——というか想像すらしなかった——コンビネーションが、『メロスは激怒したが、俺も大概キレてる』という名作を生み出したのです。
「俺」は、いい歳して引きこもり、長年世話をしてくれた母の死に直面し、まず向かった先はアニメショップ。端的に言ってクズです。しかし、こいつのナイーブな内面にはちょっと共感してしまう、ありふれたクズさなのです。なんかもう他人事に思えないこの男が、メロスのようにカッコよく生きられずとも、物語の終盤では成長を見せてくれます。そこで読者は、腹筋がねじれそうな爆笑展開からの落差に驚き、うっかり感動してしまうかもしれません。

爆笑と感動のヒューマンドラマ、『メロスは激怒したが、俺も大概キレてる。』を、ぜひ一読してみて下さい!

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