概要
“自顕殺し”の剣士と、名もなき野太刀使いの邂逅。
薬丸自顕流。幕末期に猛威を振るった、一撃必殺の豪剣。
——果たして、その真価やいかに。
——果たして、その真価やいかに。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!名前すらないのに圧倒的な存在感を放つ登場人物と剣術を描き切る秀作
この物語の登場人物には、名前がない。
それなのに幕末という短い時代に、本当にこんな男がいたのではないか――とさえ思わせる、圧倒的な存在感がある。
短編でありはっきりとした物語があるわけではない。
ただ剣戟のみが描かれる本作ではあるが、それ故に登場人物たちは全てを捨てて剣に打ち込んだ人物であることを読者は疑わないだろう。(少なくとも私は)
凄まじい剣技が詳細に書かれることでここまで腕を磨き上げてきた経緯、つまり登場人物の今までの人生が想像されるのである。私はその陰で泣いた女性の姿まで見えた気がした。
…と、ここまで時代小説巻末の「解説」気分で書いてしまいました!
これはこれで完結する…続きを読む