竹尾 錬二

わたしは、魔王の居城であった廃城に暮らす魔女だ。共に魔王を討伐した恋人の剣士が、魔王の死に際に時を止める魔法で凍らされて三百年。ずっと一人で、彼の呪いを解く方法の研究を続けている…

第二回の昭和天覧試合。府県剣士の部で、一刀と二刀、それぞれの最強と目されていた剣士たちが激突した。野間恒と志田三郎、彼らの勝負の決着の行方は。昭和剣道レトロロマン。「ぶっちぎり…

岩動浩一郎は、日本剣術の行く末を憂う者である。 学芸員として、幾つもの日本の伝統武芸の衰退と、剣術流派の失伝を見つめてきた。 些細なきっかけで出会った、失伝した大流派、鏡新明智流…

300文字に合わせました。

　警察で将来を嘱望されていた元機動隊のエリート、切畠正義は、自殺しようとした引き篭りの青年を助けようとして事故に巻き込まれた。 　彼は妖精に迎えられて見知らぬ異世界で目を覚ます。…

大正末期、学生剣道界に於ける二刀ブームの前夜。後に第一回天覧試合の出場剣士となる森田可夫は、独り二刀の稽古に励んでいた。そこに、逆二刀を使う謎の老人が現れる――。剣道史歴史ロマン。

わたしだけの、お山の話。

私の枕元にアイツが現れた夜は、毛布を頭まで被ってやり過ごす。子供のかくれんぼのように。 手元には、一本のＶＨＳのビデオテープ。アイツが私を訪れるようになったきっかけは、そう、１９…

　――貴方に、この世界の真実を教えます。 　――きっと、貴方の世界は、このノートを読む前と後では一変しているでしょう。 　――全てが信じられなくなるでしょう。 　――貴方には、そ…

即興短編。壺の中で孵った雛のお話。

一作のWEB小説『空色のひよこ』。 それは、私を失意のどん底から救いだしてくれた――

山の傍で死にたいだけの人生。

シン・エヴァンゲリオンに関するネタバレ要素はゼロです。 インターネット老人による、エヴァの回想録。 あるいはブレーキの壊れたクロスバイクで突っ走った話。

私の過去で最も数奇な恋愛体験談です。

旧制第四高校。そこには、柔道に己の全てを捧げた男たちがいた。

私はテレビのアニメをぼんやりと見つめている。 呪いと戦うアニメだ。 私も知っている。この世には、不可視の呪いが存在することを。

夜霧醒客先生の『当世文体見本市』をリスペクトし、 童謡『山寺の和尚さん』を元にした短い作品を、自分の文体で綴ってみました。 （夜霧醒客先生より許諾を頂いております） 夜霧醒客先…

その駅に、一人のホームレスが住んでいた。彼の本名は誰も知らない。綽名は『ウーア』電車が通り過ぎる度に、子供のような声でウーアと叫ぶからだ。これは、俺たちとウーアの、一夏の事件。

ちょろ子はカンボジア旅行で知り合ったヤクザ、旅岡にカワウソの密輸を依頼された。 旅岡はカワウソカフェの開業をちょろ子に約束していたが、唐突にタピオカショップへの方向転換を切り出し…

［生きて動いているものは皆、貴方がたの食物である。 　緑の草と同じように、全てのものを貴方がたに与えた。 　しかし、肉は、その命である血のあるままで食べてはならない］ 創世記　…

「……わたしは、かしこいですか？」 「ええ。あなたは、とってもかしこいフレンズさんよ」 　ジャパリ図書館設立に大忙しのミライ達の前に現れた、ワシミミズクのフレンズ。 　ミライは…

カレンダー小説企画に参加させて頂いた時の作品です。１１月の担当でした。

第一回哲学的な彼女企画に投稿した作品。企画の制限文字数を二倍ほど超過したので、選考対象外作品として、供養の代わりに掲載させて頂いたのは良い思い出です。

大阪てのひら怪談に投稿した掌編です。800文字という字数制限に苦労し、余りに言葉足らずな部分が多かったので、ほんの少しだけ加筆修正しております。