https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093093224418552
そんなわけで第二十一話です。
カーバンクルは、その生態がよく分かっていない謎の魔法生物です。
ごく稀に召喚されることがあるのですが、何しろ彼ら自身が自分の能力や、成熟したのちどうなるのかを知らないのです。
基本的には群れで生活しているのですが、ある程度の年齢になると、群れを離れてどこかへ行ってしまい、戻ってくるものはありません。
そのよく分からない性質のひとつが浮遊能力で、これはすべてのカーバンクルが保有しているようです。
これは崖など高所から転落した時に身を護るもので、ただ浮いているだけの能力です。
自分の力で移動することが難しく(犬かきのように四肢をじたばたさせると、多少は前に進むらしい)、一度浮いてしまうと自力で降りることができません。
永久にそのままだと、干からびて死んでしまいますが、幸いなことに重力の影響でゆっくりと高度が下がっていくようです。
一、二メートルの高さから、自然落下するまで二、三時間かかるようです。
自分から浮くことも可能で、それにはまず、ジャンプをして身体を浮かせる必要があります。
その跳躍の力(慣性)で、ある程度の高度が稼げるようですが、いずれ大した高さではありません。
現在のカー君は魔石によって飛行能力を獲得していますが、これは浮遊能力とはまったく別の後天的な能力です。
両者は並行して使用できるようで、飛行の途中でヘリコプターのように静止できます。
静止(浮遊)状態では、重力を利用した下降ができないので、いったん上昇することで浮遊を解除し、飛行状態に戻る必要があります。
今回の話では、その能力が発揮されています。
ただ、浮遊状態から後退ができるというのは、カー君も知らなかったようですねw
さて、藩王の宝剣探しは一応決着しました。
次回はこの続きということになりますが、エイナたちは藩王軍の野営地にいったん戻ります。
話としては、帝国軍の動向が中心となると思います。どうか次回をお楽しみに!
「悪役令嬢転生おじさん」は面白いなぁ~!