https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/11054822664794805423
そんなわけで、今日から第十三章「百年の孤独」が始まり、その第一話「休日」です。
「百年の孤独」といえば、ガルシア=マルケスの有名な小説ですが、日本ではむしろ焼酎の銘柄の方が有名かもしれません。
私の場合は、断然寺山修司の前衛映画「さらば箱舟」ですね。
あれはかなりおどろおどろしい物語ですが、この章にはそうした要素がなく、珍しくロマンティックな内容です。
おそらくあと数話進めば、あっ、『〇の〇〇』だなと気づく人が多いと思います。
さて、今回の話はプロローグです。
時系列的には前章の続きであり、蒼城市での任務を終えたエイナは、十日の休暇をもらっています。そのうちの一日で漆黒に会い、四日をかけて王都に戻ってきました(ほぼ全行程で馬車を使っているので、わりと早く着いたことになる)。
したがって、残る休暇は五日間ということになります。
エイナの部屋の描写で、カーテンを通して陽差しが入ってくるという説明がありますが、これはエイナが寝る前に、窓の鎧戸(雨戸の役割を兼ねる)を閉めなかったからです。普通の住宅ではあり得ない話ですが、ファン・パッセル家の窓にはガラス窓がはまっているので、これが許されます。
王国では、ガラスはまだまだ高価で、公共施設や裕福な家以外では普及していません。都市部では鎧窓(観音開きや、上げ下げ窓で、斜めの羽板が可変式で採光可能)が多く、農村部では一枚板の蔀(しとみ)窓が一般的です。
ファン・パッセル家は、王国でも有数の大商人なので、屋敷では全室ガラス窓が標準装備されています。
エイナの替えの軍服について、メイドのスーが『かけはぎ屋に出した』と答えています。
かけはぎ屋は、衣類に開いた穴を修繕する職業で、ありとあらゆる端切れや糸を用意していて、技巧を駆使して判別不能なほど、完璧に直してくれます。
王国は古着文化が定着していますから、こうした職業は需要が高く、ちょっとした村でも、裁縫上手なおかみさんが、安く請け負ってくれます。
この新章は、『幻獣召喚士』で本編と交互にやっていた、番外編に当たります。『魔導士物語』だと、「辺境伯の息子」みたいな感じで、比較的短い話になるはずです。
どうかしばらくの間、お付き合いください!