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そんなわけで、第二話「大島」です。
大島は名前のとおり、結構大きな島です。
イメージとしては伊豆大島くらいでしょうか。人口は全島で三千人くらいです。
火山島なので耕地には乏しく、作物は自家消費に回り、むしろ採取される山菜やキノコの方が流通している感じです。
島の男性はほぼ全員が漁師で、沖合によい漁場があって水揚量はかなりの規模です。
ただし、この時代に冷蔵技術はなく(一部氷室が存在しますが)、余剰分はすべて加工品となります。
干物や魚醤がその代表格ですが、それを凌駕するのが「金肥」と呼ばれる、イワシなどの小魚を原料とする肥料です。
これらは羅の国に輸出され、島の貴重な外貨となっています。
島民はワダツミ神を信仰しており、アマテラスは「何となく偉い神様」程度の認識です。
ですが、一応はワダツミのお姉さんですから、ちゃんと敬意を払われています。
島には神殿(神社)があって、ちゃんと巫女も在籍しています。
東大陸の神々は、現世利益を重視するので、職種によって専門化しがちです。
それは同時に、ごく狭い範囲での信仰となるため、どうしても先細りしがちです。
主神であるアマテラスは、これら具体的な利益を与える神々と違い、汎用性の高い間口の広い神様なので、結局は全土でもっとも普及することになりました。
大島の神殿では、盛んに「豊漁占い」が行われています。
島の財政を支えるイワシ(金肥の原材料)の豊凶や、季節によって産卵に集まる魚群の現れる方角などを、神に祈って占うのです。
これがなかなか面白くて、紙を切った魚を床に並べ、小さな小枝に御幣を結んだ糸を垂らして釣り上げます。
針はないのですが、静電気で紙同士がくっついて、釣り上げることができるのです。
これでその年の漁場が予測され(これが不思議なことに結構当たる)、釣られた紙の魚は集まった参拝者に与えられます。
神殿では、ワダツミ神の名が書かれた小石を販売し、拝領した紙の魚と小石を紙で包み、初漁の時に海に投げ込んで豊漁を祈ります。
さて、エイナたちの小屋の前には、続々と島民が集まってきますが、どういうつもりなのでしょうか?
どうか次回をお楽しみに!