https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093090177752078そんなわけで第四話です。
さて、章のタイトルともなっている〝藩王〟という言葉が、今回初めて出てきます(ちらっとだけど)。
藩王はググってみれば分かりますが、イギリスが植民地支配していたインドに存在した、地方領主のようなものです。
すごく分かりやすく言えば、日本の江戸時代における〝藩主〟ですね。
領土内においては、まさに王のような裁量権が認められている一方で、幕府に首根っこを押さえられています。
ただし外交権や勝手な軍事行動は許されていません(軍事面では、四帝の自由度はもっと高い)。
ケルトニアの准将は、四帝という呼称に難癖をつけてきますが、ほぼ言いがかりです。
〝議論のための議論〟に対して、リディアの方も屁理屈で言い返し、相手を丸め込んでしまうのが面白いですね。
ケルトニア使節団は、南大門を潜った途端の大歓迎で度肝を抜かれ、醜態をさらしてしまいました。
さらに、赤龍帝の謁見でも、着飾ったリディア(童顔で、大人しくしていればお人形さんのように可愛い)に圧倒されてしまいます。
これは、別にリディアがマウントを取りたいために、子どものような意地を張っているわけではありません。
ケルトニアの使節団は、国の体面を背負っていますから、文化や科学技術では後進国の王国に馬鹿にされたとあっては、帰国後に申し開きができません。
そのため、彼ら(特に代表する准将)は、何とか王国に対する優位を保とうと必死になります。
リディアはそこを利用して、情報を引き出そうとしています。
まぁ、詳しくは本文を読んでもらうことにして、面白いのは秀才のシルヴィアが、その辺の駆け引きを理解してないところです。
魔導院で純粋培養された彼女は、根が素直でリディアの言う〝腹芸〟を会得していません。
前章の霧谷屋敷で、悪魔のような頭脳を持つセドリックに翻弄されたのも、そのせいです。
どうかお楽しみに!