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【第七章完結】第二十話「黒幕」を掲載しました【魔導士物語】

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093089500073152

そんなわけで第二十話です。

いやぁ、どうにか一話にまとめましたよ(普段より字数が多いのは許して)。
あちこちぶった切ったので、ちょっと駆け足ですけど。

これで第七章「辺境伯の息子」は完結となります。
後日譚を紹介すると、セドリックの予想どおり、伯爵は新年の大舞踏会の場でイレーネに求婚します。

仕立てあがったばかりのドレスに身を包んだイレーネを連れ、伯爵が会場を訪れると、大きなホールを埋め尽くす男女が優雅に踊っていました。
もちろん演奏は生の楽団です。
二人は飲み物で喉を潤すと、さっそく踊りの輪に入ろうとします。
当然、伯爵はイレーネにダンスを申し込むため、座っている彼女の前に立ち、一礼して手を差し出します。
イレーネはその手を取って立ち上がる……というのが通常の流れなのですが、伯爵はイレーネの前で片膝をつきました。

これはよほど女性が格上でない限りしないことで、イレーネは戸惑いながら伯爵の手を取りました。
すると、伯爵はその掌の上に、もう片方の手で指輪の箱をそっと置いたのです。
そのころには、周囲の紳士淑女も異変に気づいて集まっていました(辺境伯は有名人なので)。
イレーネは涙を零しながら指輪を薬指にはめ、周囲からは祝福の拍手が浴びせられた……という感じです。

二人が白城市から帰ると、慌ただしい準備が始まり、やがて霧谷屋敷の庭で結婚式が行われます。
これには村人たちが一人残らず招待され、大宴会となりました。

そして翌年にイレーネは妊娠し、男の子を産みます(二年後には女の子も出産)。
弟ができたことで、セドリックは魔導院入学の意思をますます強固なものとします。

セドリックはこの後、〝王国の天才魔導士〟の名を欲しいままにして、王国の魔導士部隊を率いる存在となりますが、それはまた別の物語となります。

さて、次回からは第八章「トルゴルの藩王」が始まります。
この物語のクライマックス(前編)となる予定なので、どうかお楽しみに!

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