https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093089839365508そんなわけで第二話です。
前回はまったく別の時代の話だったので、面食らった方もいたと思いますが、今回からはいつもの調子に戻ります。
時期的には、シルヴィアは霧谷屋敷から帰ってきた後で、エイナの方はまだ蒼城市で、小隊長として頑張っているころです。
そのため、エイナが登場するのはもう少し先になります。
本章はちゃんと彼女が主人公なので、ご安心ください。
本文でもちょっと説明されていますが、この時代は時計が存在するものの、高価なので一般的ではありません。
庶民は太陽や星の動きを、季節で補正しながらおよその時間を把握します。
都市住民は、町の中心となる施設で鐘を鳴らし、時刻を知らせることが多いようです。
鐘は時計の時刻に合わせて鳴らします。普通は鐘のある施設に柱時計が置かれていますし、王都の場合は鐘を鳴らす係に懐中時計が貸与されています。
参謀本部にも、数か所時計が設置されていますし、マリウスのような高官は自費で懐中時計を購入しています。
(ちなみに、マリウスのスケジュールを管理しているエイミーにも貸与されています。)
昔の時計にはクオーツなんてありませんから、一日で二、三十分遅れるのは当たり前でした。
では、その時計はどうやって時刻を合わせているのでしょう?
正解は日時計です。正午計というもので毎正午を計り、時刻合わせをしているのです。
日本の明治時代でも、鐘を突いて時刻を知らせていましたが、やっぱり時計の時刻は日時計を頼りに合わせていました。
日時計の歴史はとても古く、ちゃんと作ればかなり正確で、昭和の初期まで現役だったのです。
ちなみに、上野の国立科学博物館にある日時計の時差は、わずか4秒だといわれています。
さて、今回はケルトニア絡みのお話になりそうです。
次回は舞台を赤城市に移します。どうかお楽しみに!