https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093086613819557そんなわけで第四話です。
やっと辺境伯の屋敷に到着です。
シルヴィアはさっそく手荒い歓迎を受けることになります。
クリスト伯爵は領民(といっても、たった一つの村で、人口も三百人ほど)に慕われているので、屋敷の警備の依頼に二つ返事で応じてくれました。
伯爵家でも、かつては私兵を雇っていたのですが、王国の中央部が戦乱と無縁になると、これを解雇しました。
何かあった場合は、領民の男たちが兵士として伯爵に従う、というのが暗黙の了解になっています。
伯爵家のメイド軍団は、おばちゃん(一部お婆ちゃん)の集団です。
まぁ、この辺はメイドさんに対して抱くイメージと乖離していますので、あまり想像しないようにしてくださいw
王国の名前について。
最後の方でセドリック君がシルヴィアに自己紹介する場面がありますが、かなり長い名前です。
王国ではミドルネームを持つことが珍しくなく、一部の地方では父称(父親の名前)を付ける習慣もあります。
ただ、一般的にはミドルネームは一つということが多いようです。
なお、シルヴィアの家主のロゼッタさんは、〝ファン〟という貴族階級であることを表す称号が入っています。
これは彼女の遠い先祖が、事情があって帝国から亡命してきた関係です。
帝国では貴族の名前に、フォンやファンといった貴族称を入れるのが珍しくないのです。
一般人の名前は割とシンプルなんですが、これが貴族となると、どういうわけか長くなりがちです。
シルヴィアも、正式にはシルヴィアとグレンダモア(家名)の間に、三つの名前が入っています。
最初が祖母の名前、次が叔母の名前、三番目が母親の幼馴染(もはや親戚ですらない)の名前です。
もちろん、本人と両親以外、誰もミドルネームなんか覚えてくれないので、普通はファーストネーム+姓(家名)で呼び合っているのが現状です。
そんなわけで、次回は辺境伯から、事件の真相が聞けそうな予感です。
どうかお楽しみに!