https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093087706656788そんなわけで第十話です。
タイトルどおり、今回もお勉強の話ですから、前半は適当に読み飛ばしてください。
お願いだから、深く突っ込まないでくださいねw
シルヴィアはイレーネ女史のことを、背は高いが痩せて骨ばった身体、細い吊り目、薄い唇、頬骨の出たきつい顔立ち(眼鏡着も装備)、神経質で堅苦しい性格――と、勝手にイメージしていました。
ところが、セドリックの証言によると、女史は背が高くなく、ほんの少しだけ(ここ重要)ふっくらした、優しげな美人だったようです。
ただし、セドリックが「凛々しい」と評したように(七歳の子が使う表現じゃないぞw)、かなり気が強くてさっぱりした性格でした。
セドリックは最初、「凛々しい」ではなく、「男らしい」と答えようとしたのですが、さすがにそれは女性に対して失礼だろうと思って、言い直したのでした。
イレーネ女史は、女性がほとんどいない高等教育機関で、男性に伍して勉強してきました。
当然、さまざまな嫌がらせや、理不尽な差別があったはずです。
彼女は勉学に対する情熱を支えに、それらと戦ってきましたので、絶対に自分の弱味を見せまいとする姿勢が身についていました。
彼女は常に自分に言い聞かせていたのは「俯(うつむ)くな、顔を上げろ!」でした。
最愛の子どもと夫を失っても裕福な実家に戻らず、一人で生きてきたのも、そんなイレーネの信念が窺われます。
そんな彼女にとって、セドリックという生徒は救いでした。
わが子を失って以来、初めて愛情を注げる対象を見出したのです。
自分の子の〝身代わり〟である点には、目をつぶってあげましょうね。
さて、シルヴィアは、とうとう事件の解決につながるヒントを得たようです。
ユニはこの件とどう関係しているのでしょうか? どうか次回をお楽しみに!