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【魔導士物語】第三話「霧谷屋敷」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093086440869417

そんなわけで第三話です。

今回は、まるっとクリスト辺境伯の紹介回です。
すげえゆったりペースで進んでいますが、ちゃんと短くまとまるだろうか(不安)w

もう少し捕捉です。
クリスト家は、渓谷と森にほど近い場所に、昔から住んでいました。
ですから、「王国発祥部族の末裔」という、強いプライドを持ち、代々の土地を守ってきました。
森とは反対側に小さな村があって、そこが古くからのクリスト家の領地です。
同家は「一村領主」と呼ばれる豪族でした。

王国がセントレア公によって統一される際には、特に抵抗せずに支配下に入りました。
同家としては、自分の領地を安堵してくれるなら、誰の下についても構わなかったのです。
この功績によって、同家は男爵位を賜りました。貴族としては最底辺の、名前だけの名誉です。

〝統一王〟セントレア公の跡を次いだ王二代は、残念ながら凡庸な人物でした。
そのため、勃発したサラーム王朝との長期にわたる戦争では、しばしば苦境に陥りました。
赤城市陥落の危機で、全土に檄が飛ばされたことは、すでに述べられたとおりです。

この時クリスト男爵は、領地の村から男たちを招集して参戦しました。
彼らは農民ですが、領主である男爵を深く尊敬しており、男爵の指示によく従い、勇気を振り絞って奮戦しました。
男爵の巧みな指揮と果断な行動力で、彼らは赤城市を包囲しているサラーム軍に夜襲をかけ、敵将を討ち取り包囲網に大穴をあけました。
昼間であれば圧倒的な兵力差が明らかで、敵も慌てなかったのでしょうが、夜闇ということが功を奏しました。

赤城市の防衛軍は、この機を逃さずに全軍で出撃し、サラーム軍を敗走させたのです。
全軍の英雄となったクリスト男爵が、戦後に伯爵となり、辺境の広大な土地を与えられたことも、本文で説明済みです。
辺境伯となったクリスト家は、故郷の土地に戻り、またつつましい静かな生活に戻りました。
得た地位と、わずかな報奨金にも奢ることなく、堅実に暮らしたことで、同家は生き延びることができたのです。

そんなわけで、次回はいよいよ辺境伯の館に乗り込みます。
どうかお楽しみに!

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