https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093093042621225そんなわけで第二十話です。
今回は(いや、いつもかw)あまり話が進んでいないので、ネタがありません。
なので、ちょっとネタバレ(大したことないですけど)解説です。
気になる人は、ここでブラウザバックして、本文を先に読んでください。
さて、シルヴィアが現れた理由ですが、彼女は観戦武官として派遣されたことが明かされます。
観戦武官とは読んで字のとおり、戦争を見物しにくる他国の軍人さんのことです。
どっかの国が戦争を始めると、単純に「どっちが勝つのかな?」と気になるもんです。
昔はテレビもネットもありませんから、情報がなかなか入ってきません。
そこで、手っ取り早く将校を派遣して、実際に見学させるわけです。
これによって、最新の戦術や兵器を目にすることができるので、なかなか有効な情報収集手段でした。
ただし、安全なところから高見の見物をするというものではなく、実際の戦場に飛び込むわけですから、結構危険を伴います。
観戦武官は基本的に中立であるべきですが、目の前に敵が迫ってくれば、戦わざるを得ません。
そのため、さまざまな武勇伝が伝わっていますし、戦死した武官も少なくありません。
観戦武官の派遣に当たっては、当然ながら受け入れ国の承認が必要となります。
自国の戦力を誇示するためにも、積極的に受け入れられていたようです。
シルヴィアの場合は、文字どおり〝高みの見物〟が可能で、空から見ている分にはケルトニア側に何の負担もかけません。
そのため、王国ではケルトニアの承認を受けずに派遣をしています。
傭兵契約の付帯事項には、戦闘が起きた場合に観戦武官の派遣を認めるという条項がありました。
契約上認めちゃっているわけですから、承認は不要という考え方ですね。
この派遣は、リスト王国側がケルトニアを、全面的に信頼しているわけではない――という証拠です。
王国としても、莫大な国費と年月をかけて養成した、虎の子の戦力ですから、万が一にも使い捨てにされたら堪ったものではありません。
ただ、後でケルトニアから文句を言われないよう、シルヴィアには戦闘への介入をきつく禁じています。
緊急の事態でやむを得ず手を貸すことになっても、必ずケルトニアからの〝要請〟に基づくこと、と明示されていたのです。
前回、シルヴィアがエイナ(立場としてはケルトニア軍)に「助けてください」と、無理やり言わせたのは、そういう事情があったからです。
それとともに、なぜ藩王が部隊への同行を強く望んでいたのか、その理由も次回には明らかとなるはずです。
ケルトニアと王国による魔導士連合部隊の存在に気づいた、フランツの行動も気になるところですが、どうか次回をお楽しみに!
さて、次回は例の洞窟に藩王とエイナたちが入ることになります。
すでに帝国側が、征服王の宝飾品を持ち出した後ですが、何か見つかるのでしょうか?
どうかお楽しみに!