虹乃ノラン

描写が美しい。その美しさ、その泉は、それも君の内にあるもの。

水面の曇りをとりのぞけば、そこには澄んだ煌きが、確かに残っているはずだ。

アイデアがすばらしい。世界が広がる。大好き。

「土手下に立つ桜木のそばに『黄昏』は集められていた。 　お気に入りは、豚の貯金箱に貯められた夕方の電車の音。豚のおなかに耳を当てると、町の中央駅から出発した電車が、がたん、となる…続きを読む

やっぱり名監督(*´ω｀*)

潜められた全てのモチーフが読了後の空となって広がる。

受け止める私たちに、その空は客観性をたもちながらも、客観を許さない。

そんなすばらしい短編。

ありがとうございました。

制服を着て、修学旅行に行っていた頃の私たち。彼がメロンゼリーをお土産に買ったかどうかもしらない。そういった距離感が普通であった頃の記憶。 花岡柊の文章は時折私たちをけむに巻き、ふ…続きを読む

素晴らしい希望の物語。

ありがとうございました。

恐怖は、不快感や腑に落ちない違和感からくる。 ミステリーやホラー、サスペンスを描く時、作家はどの時点で読者にそれを提示するか、提示できるかで大きく構造が変わってくるのだが、シンプル…続きを読む

オキタクミ氏は天性の語り部なのだろう。ヒロシマ断章に続きこちらを拝読し、そう感じた。 「私」の考えは、一切書かれない。感情にも触れない。反射的に起こる情動もない。 語り部に必要…続きを読む

「さすがに今これを買ったら、明日死ぬ前に、今日後悔しそうだと思った。だからやめた。」 このさらりとした一行が、どうしてこれほど私の心を染めるのか。 きっと湖ノ上茶屋の足の裏には…続きを読む

孤独に、本当の孤独があるなら、嘘の孤独があるということです。 きっとそこに、Kaedeさんの思いと願いがあるのでしょう。 来年、明日、２０２４年になると、１８歳を迎える猫を飼って…続きを読む

語りべが減っている。 日本人は、知識として原爆を知っている。 日本人は、教科書で戦争を学んでいる。 語りべがいない。語りべが、いるようで、いない。 詩人・栗原貞子の「生ましめんか…続きを読む

タイトル通り。 一体何度読み返したことでしょう。この第一話を……。 ははこさんのエッセイは、豆ははこさんとの交流が深まれば深まるほど、面白く感じられていくのです。あら不思議。 …続きを読む

（FF×MGS×FM）÷yousetsu=アイデンティティ・シンクロニシティ？ スクエニさん大丈夫ですか。小島秀夫プロダクション、スカウト来てますか？　大丈夫でしょうか。 序盤…続きを読む

脚本の用語で、フラッシュとは回想シーン挿入を差しますが、本作品における戦地を巡るフラッシュには、トトトトトという銃声が聞こえてきそうなほどの臨場感を覚えます。 映像、臭い、感触、…続きを読む

大林宣彦監督のHOUSEという映画をあなたはご存知だろうか。 一度観たら頭から離れない。頭は飛び、ぞわぞわ黒い影が這い、悲鳴が横行する。 にもかかわらず、なぜかユーモラスでオシ…続きを読む

T/O

君も太陽に見放されたんだね、と類い稀なセンスで繰り広げられる会話たち。あまりに爽快に始まる清々しい夜。闇、もしくはコメディタッチの吸血鬼ものはあるけれど、バディでもなく、これぞルア…続きを読む

レビューになるだろうか。柊の世界はやはり基準がセピアにある。そこへ、訪れる、鮮明な〝なにか〟。 音、もしくは色、もしくは動き。 その〝なにか〟が、読み手のfpsを否応なく変化さ…続きを読む

タチタチタチ……。そして降り注ぐ、銀杏の道。 柊の世界には静寂があり、そこへ、ぽつりぽつりとエコーのように響くクローズアップされた音たちが生きづいている。 文字になって揺れるよう…続きを読む

文体と題材とのマッチングがとにかくすばらしい。引きずりこまれるように一気によみました。とてもおもしろかったです。 構成もよく、岩月さんのいわんとすることが隕石のように熱量をまとい、…続きを読む