萩 ― はぎ ―

作者

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★★★ Excellent!!!

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温かな幻想は、何度でも在りし日を思い出させるのだろう。

遠くなってしまった記憶を追いかけ、走り抜ける姿は——不思議の国に落ちた少女のよう。走馬灯のように駆け抜けていく光景の果てにあったもの、それは在りし日の思い出だった。

思い出す。そうすればまた、心は大切な人のそばに戻れる。手で触れることはできなくとも、その笑顔を近くに感じることができる。

巡る幻想と遠ざかった温もりが描き出す彼岸の物語。
閉じたまぶたの向こうに、あなたは誰を見るだろうか。

★★★ Excellent!!!

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温かい記憶。
どこか仄暗く、恐ろしさを孕んだ、けれど驚くほど美しい文章は、この不安定な世界をよく表している。
読んでいて、心臓が、身体が、ぐらぐらと揺れる感覚があった。自分の記憶までも紐解いていかれているような、抉られるような、そんな。ああ私も、そんなこと、言われたこと、あったなぁ。多分その萩には、うんと甘くあり、優しくあり、でもちょっとしょっぱさもあるのかな、と思った。切なさが胸に迫って、夏に読むのにぴったりだ。

★★★ Excellent!!!

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 懐かしくて温かい。でもどこか切なくて、苦しみや痛みもある。そんな遠い夏の記憶を、ぐいぐいと引き込む文章で綴っていきます。読みながら自分も一緒に夢で記憶を辿っていました。

★★★ Excellent!!!

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 夢から目を覚ました「私」と祖母をつなげるお萩。
 お萩の甘さと柔らかさが、「私」にとっての「穏やかなお祖母ちゃん」なのだろうなと感じました。

 読後……

 日頃は忘れている祖母への想いや、祖母自身を思い出させたのは曼珠沙華か?
 「摘んじゃいけないよ」と曼珠沙華自身の言葉を祖母(多分)の口から言わせたかのように印象に残りました。

 
 

★★★ Excellent!!!

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記憶は美しく、そして記憶は哀しい。赤い鼻緒が締め付ける高鳴る胸が痛い。二度読んで号泣しました。まだ少しはやい彼岸の入りに、ひととき此岸を離れました。ありがとうございました。とても素晴らしかったです。ぜひみなさんに読んでいただきたいです。

Good!

――

とても静かで、仄暗い。


作品冒頭にあるこの一文が、この作品の魅力を全て言い表している――と、最初に思ったことがそれでした。

手を伸ばすのに届かない、確かにあるはずなのにどこにもない。
そんな誰もが体験したことのあるもどかしさを、きっとこの作品を通じて読者は思い出すことになるのではないでしょうか。