本編より引用「掌の中に収まっていた宝石を、二人で削り合うようにして撮影をした。」この一文に心をつかまれました。撮りたい映像は蓮の頭の中で生まれてきて、凛のむき出しの心を映し出す。だからすでに二人が持っているものという表現ができるのではないかと思います。ただし時間はかかるし、上手くやらないと美しくならない。無駄を削ぎ落とし、時間経過が早い物語でもありますが、それもまた青春が一瞬であることを表しているかのようです。読後はとても爽やかで少しだけ切なくなる作品です。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(221文字)
流行りの要素などなくても心は動く。感動もする。そんな作品です。