余白の美しさと危うさ

すてきな青春恋愛短編でした。過ぎ去った日々をファインダーでのぞいても、たどりつけない若々しい心。凛は強いように見えて、儚くうつくしい。羽化したての脆い翅のように。
少年ふたりはそのうつくしさに惹かれたのでしょう。

作中では凛は撮られる側の被写体ですが、手にカメラを持たずとも、これは彼女が映した記録。

作者のファインダー越しに捉える世界には、様々な構図が複雑に存在する。作者の心に日々投影される、瑞々しさと切なさ、それが伝わってきました。