三奈木真沙緒

事件とも事故とも見られる状況で、死亡していた男。だが身元がわかるものは身に着けておらず、ポケットには月見と呼ばれる花札が。捜査の過程は穏やかな文体で淡々と進められ、刑事たちの心構え…続きを読む

「猫の手も借りたい」…実際借りて、成し遂げられることって？　いやいや。「コレを片付けたら、うちの猫を思う存分もふもふしてやるぅ～！」とモチベーションを上げることも、猫の立派なお手伝…続きを読む

「エッセイ」のタイトルなのでいろいろなことが綴られているのですが（作者さんの創作奮戦記などもあります）、当レビュー筆者がもっとも興味をひかれたのが、昔ばなしの背景というか、根底にあ…続きを読む

当レビュー筆者はカクヨム歴が浅いので知らなかったのですが、「カクヨムユーザーミーティング」ってあったのですね。参加された作者さんの秀逸なレポート力で、入場の際の緊張感、充実した内容…続きを読む

…投稿の経験がある人なら、ちらっとそう思った人、多いのではないだろうか。読まれていること、評価されていることが、目に見えてはっきりわかってしまうのが投稿サイトの特徴。気になるのが人…続きを読む

発した言葉が物質化して相手に飛んでいく。ちょっとおもしろそうな世界観だと思うと同時に、なんかこれって日常的に知っている世界のような気もしてくる。そう、見えないだけで、我々は日々、物…続きを読む

虹の端には、宝物が埋まっているという…。行ってみよう！　ふたりの小学生の冒険が始まった。懸命に虹を追いかけて、ふたりが見つけたものは…。 雨上がりに差す光がやわらかく照らす世界を、…続きを読む

話題そのものも笑えるのですが、文章はこびや言い回しがもう職人芸です。そんなエピソードがこんなにたくさん。ちょっと笑いたいときのため、フォロー推奨です。吹き出し及び思い出し笑い注意報…続きを読む

これ以上はないというくらい不摂生を重ねてきた主人公。無理がたたって脇腹に痛みが！　…という状態で、なんと勇者として異世界に。とんでもないハンデとともに、病人勇者の旅が始まった。…っ…続きを読む

食の問題を解決するため作り出された「食欲処理係」…そう、「食糧」ではないのだ。彼らが人々の「食欲を処理」する方法とは…。なぜだろう、登場する人間たちが、人間ではないものに見えてしま…続きを読む

「色」を見ることができない主人公。 「感情」を見せない不思議な少年。 出会ったときから、主人公の心の中は、少しずつ、彩りを帯びていく。そして少年にも…？ 序章読了。ふたりの関係に変…続きを読む

説明しようにも、語彙が少なかったり、うまく取り出せなかったり。子どもは自分の表現力をフル稼働。その結果、直球を越えた剛速球だったり、変化球どころか死角から襲ってくる魔球だったり。だ…続きを読む

名著といわれる小説は全部、奈良県が舞台で成立するんじゃないか。 文豪といわれる人たちはみんな、奈良県で暮らしていたんじゃないか。 …と納得してしまいそうになる名品集。 いや、元ネタ…続きを読む

自殺を決意した主人公。 通りすがりの青年からもちかけられる、奇妙なゲーム。 果たして青年の意図は？　主人公はどうするのか？ 死をめぐる、まさに境界線ぎりぎりの葛藤。踏み外す瞬間まで…続きを読む

お湯さえあれば下ごしらえ不要、しみ入るおだしが、日々戦う人々に小さなオアシスを作る。 非常食にも最適！　箸を忘れるな！　食後のごみは分別！ 戦え、地球防衛軍！ ボソッ「俺たぬき派な…続きを読む

幼なじみ、あこがれ、兄のような存在、好意、雲の上…そのどれでもありながら、どれにも届かない距離。だが転機は思いもよらない形でやってきた。おそらく多くの人がなんとなく経験したことのあ…続きを読む

小説全体の雰囲気、登場人物たち、そして作中のお菓子の描写もさることながら、主人公の食レポが、読む人の心に味と食感、そしてゆったりとした空気を届けてくれる。休憩時間の息抜きに、食後に…続きを読む

犯罪の被害に苦しむ人がいる一方、冤罪によって利益を得ようとする人がいる。真実を見極めることは難しく、時に真実は生き埋めにされる。ようやく人々が掘り返したとき、すでに真実は窒息死して…続きを読む

言葉選びのセンス、流麗な語り、圧倒的な筆致で、読むものを笑い、いや違ったカレーの坩堝に巻き込む、堂々たるカレー小説。……今晩カレーにしよう。

ていねいに織り上げてきたはずの気持ちも、溶けてしまうときはほんの一瞬。角砂糖のように。

読み進めると、往年の昔ばなしアニメの音声が聞こえてきそうです。おそらく文体の妙でしょう。旅人の行く末はどうなるのか、ワクワクとドキドキが入り混じった気持ちにしてくれます。はてさて……続きを読む

紙飛行機は飛ぶ。気持ちを乗せ、勇気を運ぶ。どこまでも青く広い空を、やさしい風を受けて、光の粒をまき散らして、待っている誰かの心に着陸する。小さなスイッチを入れて、新しい旅に出る。見…続きを読む

人が命を奪い、奪われる。残酷な場面なのに、桜に軽く酔わされる。戦場をこれほど美しく彩れる花は、桜しかない……そんな錯覚に陥る。

可能な方は寝る前に。時間的に難しいという方は、頭と心をリセット＆リラックスしたいときに。 たまに爆笑して眠気が吹っ飛ぶ効果もあります…仕事の休憩時間にも有効かも？ くれぐれも仕事中…続きを読む

冬を迎えた商店街。ラーメン屋さんに何が起こったか？　ショッピングモールに襲い掛かる事件。街角に現れた不審な人影。謎が謎呼ぶ白い箱。なぜラーメン屋さんは上着を着ないのか。桃太郎東奔西…続きを読む

彼女は階段の上で、一途にあなたを待っています……。

「異誕」と呼ばれる異形の怪物がひそむ社会。彼らに対抗すべく、警察庁に設立された極秘部署。所属する女性たちの中には未成年の姿も。怪物に対抗できる、彼女たちの能力とは？　生育になにかし…続きを読む

「テンプレ系」はカクヨムで初めて触れて、いくつか試しに読んでみたのだが、いわゆるテンプレというのがよくわからなくて、どう楽しめばいいのか、なんで当たり前のようにそんな流れになるのか…続きを読む

聞いてくる人も、この心理を論理的には説明できないかもしれない…。人類の七不思議と称しても過言では…過言かな？　どうでしょうか？

妖精や悪魔が普通に存在する世界。ある事情で、そんな世界に暮らすようになったひとりの女の子。彼女が出会う、妖精にまつわる不思議な事件たち。心を閉ざしていた女の子は、いつしか自分の意志…続きを読む

黄色い落ち葉舞う街角。砕け散るガラス。七色の光をはじくステンドグラス。色鮮やかな思い出が開く、悲しい事件の扉。ハードボイルド名探偵桃太郎、今回は渋く決めます。…俺に惚れてくれるな。

新たな命は道具ではない。

なぜならボクシングもいい運動だからだ。
…がんばれメロス。

会話の中で浮かび上がるひとつの事件。連動するように見えてくる主人公の境遇。化学反応が起こったとき、「なぜふたりがそこにいるのか」が見えてくる。バラの花、テンポのよい展開、さしずめフ…続きを読む

珍しいとはいえない、売れないシンガー。だが彼には、たったひとりのファンがいた。今だからこそ届けたい気持ち。それは忘れていたシンガーの基本。

当レビュー筆者は異能力バトルものはあまり読んだことがないが、ここまで世界観を作りこむのは当たり前なのだろうか？　構築力が、世界観の密度が、高いというか、濃い。政府の思惑、不気味な一…続きを読む

この熱量！　アメリカのヒーロー映画を想起する光景が、文章で表現できることに驚かされた。ストーリーの骨子はわりと王道だが、主人公アレックスの直情っぷり、中盤からの迷いと苦悩、などの感…続きを読む

ほんのちょっとした条件で、その光景はそろわなくなる。…そう考えると、「あの日見た景色」は二度と見られないものかもしれない。再び条件がかさなったとき、竜の絵に瞳を描き入れるのは…最後…続きを読む

DVというテーマ的に、すごく重い。インタビュー形式で進行する流れだが、実際の経験としか思えない内容には、頭の中で作り上げただけでは（おそらく）絶対に出せない重みがある。取材や調査を…続きを読む