登場人物も、のどかな商店街も、毎回かわらないけど、この作品をシリーズと読んではいけない。
１話ごとに桃太郎の正体がわかるという、どの作品から読んでも楽しめるように作られている。
桃太郎の活躍で犯人逮捕。
そして覆面画家の正体は。
作品の中に煌びやかに輝くものが散りばめられている。
詩集も美しく、あなたを虜にする。
間違いおへん。

　商店街の日常の中に、さりげなく散りばめられた伏線。連続窃盗犯と覆面芸術家、そこに接点はあるのか？今回も桃太郎の名推理が冴える。
　そして明らかになる、いにしえの悲恋。秋は、哀しみの季節であった。

主人公の軽快な語り口で進んでいくのですが、ラスト２話は泣けたり、驚かされたり、切なくなったりと、感情が大忙しでした……！

そして全部読み終えてから再び１話目に戻って読むと、最初の印象とはまた変わると思いますので、１話目はぜひ２回読んでもらいたいなと思いました。
とても切なく、素敵なお話です。

黄色い落ち葉舞う街角。砕け散るガラス。七色の光をはじくステンドグラス。色鮮やかな思い出が開く、悲しい事件の扉。ハードボイルド名探偵桃太郎、今回は渋く決めます。…俺に惚れてくれるな。