壮絶な闘争への序曲…

当レビュー筆者は異能力バトルものはあまり読んだことがないが、ここまで世界観を作りこむのは当たり前なのだろうか? 構築力が、世界観の密度が、高いというか、濃い。政府の思惑、不気味な一族、いまだ力のすべてを解き放ったとはいえない能力者たち。そしてまだまだ壮大な戦いへの序章という位置付けの本作。個人的には、続編はまた違う主人公の観点からの話になるのかもしれないが、クセがいくつもあるキャラクターたちの中で鋼太郎が今後どうしていくのか、非常に気になってしまう。異能力バトルのみならず「小説世界の作りこみ」「物語の壮大性」に惹かれる方にも、興味深いかと思われる。