加虐の罪

虐待から子どもを守りたい…。願いは純粋なものだった。だが加虐行為をやめさせるのではなく、他に向けさせるという対処法であったため、モノに向けられた加虐性は暴走していく。純粋な願いがいびつな方角にねじ曲がってしまったことを知った主人公は…。虐待の加害者と被害者を引き離すだけでは根本的な解決にならないのではないだろうか。「モノならいいや」とタガを外された暴力がもたらした、凄惨な心の地獄。描き出されたその風景には戦慄する。淡々としたおぞましい表現力に絶句。厳密にはヒトではないがグロ注意。