武江成緒

それが晴れ上がり、みごとに空へ咲き誇れる日。
そんな心の動きを感じさせてくれる短編です。

はたしてどこまでが事実だったのか。どこまでが夢だったのか。
そんな恐怖を刻みこんでくれる一咬みでした……。

彼らを“子供”と呼ぶとき、すでに、私たちと彼らとのあいだには、深い深い隔たりがある。 それは年齢か、時間か、それとも別のなにかなのか……。 その隔たりにひそむモノを、作者氏ならでは…続きを読む

物語から、作品タイトルまでにどんな物語があるのか。そしてその先は……。
「危機一髪」のテーマに搾られるように、想像を掻き立てられることでしょう。

時間はギリギリを避けたほうが良さそうです。
肌身に迫るほどにギリギリの恐怖に呼ばれるかも知れませんから……。

ライトながらしっかり情景を感じさせる文体に乗って、ついつい読み進んでしまいます。
たとえその先にあるのが、恐怖に満ちた実話でも……。
血とか痛いのが苦手な方はご注意を！

本シリーズならではの、設定と背景と心理の精緻な描写。 それによって、時代の流れに逐われた悲しみ、父子の感情のしこりといったテーマがリアリティをもって浮かび上がってきます。 それだけ…続きを読む

亡くなった人に呼びかける。 だれもが経験のある行為かもしれません……けれど。 その声が、懐かしい人へと続いている保証はない。 その声に応えたものが、恋しい人である保証はない。 …続きを読む

狂気の魔書。 チェンバースやラヴクラフトによって確立されたこの恐怖はしかし、多くの恐怖小説の道具立てと同じく、早くもその瑞々しさを失いつつあります。 もしも、その乾いた魔書に、ふ…続きを読む

是非とも暗号解読に挑戦してみてください！
ちなみに私は挫折しましたが……。

解けても解けなくても、素敵な読後感を味わえます！

年齢も、生まれも、立場も異なる。 それゆえにわかりあい難いこともある。 それを超えてむすばれた友情をとおして受け継がれた魔法は、たしかに奇跡を起こす。 すこし切なく、輝かしい夢の魔…続きを読む

『クトゥルフ神話』 すでにその存在はネットにおいてマイナーなものではなくなり、その宇宙に登場する存在もまた、“定番”とすらなりつつあるものもあります。 そんな中において、怖じること…続きを読む

登場人物の想いと行動に笑ったりツッコミ入れたり、感じ入ったりしながら読めてしまいます。
そのままぜひとも、最後の光景まで読んでください。

聖餐。イエス・キリストがおのが血肉として弟子たちに与えた最後の食事。 救世主ならぬ愚者の手により演じられれば、それは互いに弱き者から喰らいあう、蠱毒のごとき地獄となる。 家族という…続きを読む

人間が、天より定められた在り方を越えて造りだした人工の『目』、カメラ。
それが見るものもまた、人間の目を超えて……。

SFに描かれる未来世界。 そこに至る長いながい時の道のさなかでは、多くのものが哀しくも喪われてゆくでしょう。 けれど、その荒野を踏み超えて、あたらしいものを芽吹かせようとするしぶと…続きを読む

少年の冒険、そのエッセンスが余さずきれいに詰めこまれていて、スイスイと泳ぐように読めてしまいます。
そんな夜の冒険を体験したいあなた、ぜひ『まほろば水族館』へ！

彼女の胸中に搔き立てられたその衝動は、まぎれもなく実在するのでしょう……

あなたがこの夢を見たとしたら、どう思いますか？

緻密に、血が通うほどにえがきあげられた未来世界。そこでもそれは変わらない。 桜のような哀しさが籠められながらも、ほんのり薄紅の暖かさがひそやかに舞っている……貴方も、そんなビジョン…続きを読む

微笑ましくて、切なくて、兄妹の絆のありかたを感じさせられる作品です。