概要
これは、君と私だけの秘密だよ
港が賑わいかつては多くの人たちが出入りしていた坂の上の洋館は、今や廃墟となりお化け屋敷と噂されるようになっていた。
学校帰り、湊音と朝陽は廃墟の洋館に向かう。そこにいるはずのない住人に出会い、二人は慌てて逃げ出すが、湊音は庭に忘れ物をしたことに気づいて……
学校帰り、湊音と朝陽は廃墟の洋館に向かう。そこにいるはずのない住人に出会い、二人は慌てて逃げ出すが、湊音は庭に忘れ物をしたことに気づいて……
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!「あの絵が完成すれば《夢》が叶う」
港町の外れにある廃墟の館にしのびこんだ少年は青い眼をした老紳士と逢う。老紳士はその廃墟を「今は別のところに暮らしているが、ここが私の家だ」といい、お茶会を催してくれる。
老紳士はその廃墟で一枚の絵を描き続けていた。
彼はいう。
「あの絵が完成すれば、夢が叶う」
……
読み終えたとき、想わず感嘆の息をつきました。
家族から懸念されながらも星に願いをかけるように廃墟に通い続けた老紳士の、いまはなき妻への愛。目蓋を降ろせば、読者の眼裏にも彼の故郷の風景が浮かんできます。それはひとえに著者様の暖かみのある筆致による魔法だとおもいます。
多くは語りません。
ぜひとも最後まで読んで、老紳士の夢がか…続きを読む