「文芸 年の差」を含む小説

王太子の娘として、唯一の王女として生まれたソフィアは七歳にして前世を思い出した。 ちょど二百年前に亡くなった孤高の魔女だったのだが、生まれ変わったら覚えた魔術も使って幸せにのんび…

「犯罪小説の女王」と呼ばれた作家・神崎冴子が亡くなった。享年七十八。 彼女の小説には、常に同じ女が死んでいた。黒い髪、白い肌、深い湖を思わせる眼差し——五十年間、名前を変えながら…

文明開化に沸き立つ時代。その波は菓子の世界にも広まっていたが、和菓子職人の父を持つ杏は食べたことがなかった。 使いの途中に出くわした人は五年ぶりに再開した青年だった。礼だと振る舞…

＊カクヨムコンテスト11参加中です～。応援よろしくお願いいたします！＊ ＊くわしいあらすじ＊ 物語の舞台となる大陸には、千年間、魔王が君臨しています。千年間、その魔王を倒すため…

ボクってば【凌辱】されるのがデフォなの？ 　お見合いをして婚約した少年・蒼屋キョウ。相手は裕福な年上の女性・喜多村マキナだった。 『身売り婚』──多額の負債を解消する手段として…

冬のある日、珍しく客人が来た。 ーーーーーー 学校の文芸部に寄贈したものを少し手直し、加筆しました。 冬の二人から始まり、これから春夏秋冬が流れて…

◆高森由香里　30歳　美術教師。生徒で部員の宮部美樹と秘密の交際中。 ◇宮部美樹　17歳　高校２年生。　美術部顧問の高森由香里と秘密の交際中。 ◆愛川里美　年齢非公開　保健の…

二十四歳で結婚した舞は、ある日夫を亡くした。遺産相続で親族たちと揉めるなか、舞は夫への愛を証明するため、一つの行動にでる。

嵐がやってきて海辺にＵＦＯが落ちたつぎの日、いつもと違う町のなか辿りついた古書店で小鳥遊幸子は恋をした。 空っぽの住宅街、 シャッターのおりた商店街、 町に唯一の高校は来年で廃…

文明開化の明治時代。 鎖国の終わりとともに日本帝國には多くの文化と偉人、そして――人知れず吸血鬼たちが入り込んでいた。 「物の記憶を読み取る力」を持つ柚子は、カフェー『三日月堂…

甘えたくて、抱きしめられたくて仕方がない。 触れ合って、ひとつのベッドで眠る。 恋人じゃなく、恋人みたいなこともしていない。 ただの、上司と部下なのに。 新入社員の葉山は、 …

視覚や聴覚、嗅覚に、やや問題を抱える少年・千（セン）にとって、リアルなのは唯一、鋭敏すぎる「触覚」だけだった。 石の肌理、布の織り目、風の温度――あらゆるものの肌触りを記録した秘…

依頼人のために喪に服すバイトをしている女子高生、雨宮藤乃は仕事のため訪れた屋敷で、依頼人・知見寺紺洋氏の孫娘である蘭という女性に「祖父の日記探しを手伝ってくれ」と頼まれる。 蘭…

　２０年前、大陸を統一した『朱棣林（シュ・ディリン）』。その後宮で、序列２位の貴妃として尊ばれる淑華（シューホア）。 　美しく可憐な少女だった彼女は、かつては帝の寵妃であった。…

純朴なアスター（19歳）と、保護者であるローリエ（47歳）の小噺。 20歳の誕生日を間近に控えたアスターは、半年後のパーティに参列するよう、皇帝の遣いから命じられる。 しかし、ロ…

タケオとユヅルは、十の年の差がある同性カップルだ。時の流れ、そして同性という壁。迷いながらも共に『今』を生き、ふたりは穏やかな日常を過ごしていた。 大晦日前夜、大晦日、そして元…

タケオとユヅルは、十の年の差がある同性カップルだ。ふたりの出逢いは、二年前の七夕。久しぶりに定時退社をしたタケオが、偶然通りがかった公園でユヅルを見つけたところから始まる。雨降る…

　余命宣告をされ病室のベッドに横たわる老年の男性。内縁の夫の彼を見守る、不思議な雰囲気を醸す、内縁の妻。彼女は夫に「私はこの時を、ずっと待ってたの」と言う。 　何度も人生を繰り返…

片田舎の宿の使用人・アスター（15歳）と、眼帯をつけた宿泊客・ローリエ（43歳）の小噺。 客室を訪ねたアスターは、起き抜けのローリエにとあるお願い事をする。 ----------…

2024年2月25日「COMITIA147」にて発行する新刊の一部抜粋です。 当日は【こ43b】文芸ジャンルにいます。よろしくお願いします。 ------------------…