こちらの物語は同性カップルが書かれています。今時はごく普通の事です。
二昔前は偏見を持たれ、一昔前は腐女子に支持され、今ではごく当たり前の世界です。
ですが、日本では同性婚は認められておりません。憲法上の定義の問題ですが、日本の同性カップルは、普通のカップルと違い権利や保護を得られないというのが現状です。
端的に言えば、コロナでパートナーが死にそうなっていても面会を求める権利はありません。病院側の判断で優遇があるかも知れませんが、婚姻しておらず配偶者ではないからです。その他にも夫婦であれば得られる法的な権利も得られません。
こういう不安が同性カップルには存在しています。
さて、本作では年齢差のあるカップルが登場します。
そこに不安は当然存在します。歳と言うのは気にならない様でいて、やはり大きな不安材料であるのは間違いないのです。ここは普通のカップルでも同じ事が言えますが、婚姻などの絶対の繋がりが持てない二人です。不安の質が違うかと思います。
ですが、そんな様々な不安を通り越し、この二人、とっても「穏やかで温かい」のです。それは不安があるからこそ、当たり前の普通よりも「お互いを大切に想う気持ち」が強いのだと思います。
つまり一般的な恋愛小説を越えて、同性カップルだからこそ持ち得る「優しく大切な想い」がここに存在しています。
お勧め致します。
どうか、この二人の小さな幸せな時間を見守ってやって下さい。きっと心温まるかと思います。
皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)