文明開化、新しい文化がどんどん取り込まれている時代の活気ある世界観です。
主人公の杏は和菓子屋の娘。人とのお喋りが苦手でどもってしまう事があり、悪循環の結果、引っ込み思案で臆病でおどおどしている女の子になってしまっています。
和菓子を届けている本条家子息の克哉と出会う事により、杏の世界も文明開化していくように広がって行きます。克哉が作ってくれる洋菓子の珍しさ、親切にしてもらい、お菓子作りを通して気づく事もあったりして、彼女はゆっくりですが確実に自分を成長させていきます。
まだまだ手に入りにくい素材がある時代の洋菓子作りを通し、精一杯頑張っていく少女の成長と、周囲の人の温かさ。ほっとするエピソードがたくさんの、優しい物語です。