「中東風」を含む小説

星。 夜空に輝くそれは、世界で最も“先”を見る。 星の語る結末、世界の行く末を読むことができるのは星詠みと呼ばれる者のみであった。 ある夜、災いの兆しである凶星を目にしたメルセゲ…

王弟に嫁いだシルフィに他でもない夫から依頼が舞い込んだ。 夫いわく、依頼の内容は『朗らかでつつましく、何を言われても波風たてず冷静に判断ができて辛抱強く説き、見守る』こと。 これ…

悪行の限りを尽す盗賊団から民を解放する義賊、"盗賊狩りの盗賊アリババ"は民衆から絶大な支持を集めていた。彼が３９番目の盗賊団を滅ぼした時、盗賊に捕らわれていた一人の風変わりな貴族…

豪商の一人娘・シルフィに他でもない父から縁談が舞い込んだ。 父いわく、妻の条件は『働き者で文句をいわず、健康で丈夫な体を持ち世話好き。読み書き計算ができて贅沢を言わないがそこそこ…

敗戦国の女性官吏であるヴィーダは、主君である王女アフシャーネフと共に戦争責任を問われて軍事裁判で裁かれる。ヴィーダも王女も世間では国を戦乱に巻き込んだ悪女扱いされており、味方は少…

彼は未来を失った。それでも、約束を果たすためと旅に出た。 彼女は未来を掴みたかった。ゆえに、通過儀礼にすべてを賭けた。 ロクサーナ聖教の総本山、シャラクを目指す旅人イゼットは、…

自主企画「同題異話・九月号　　砂漠渡りと長月」参加 厄災が奪った命と奪わなかった命。選別に理由はなく、ただ結果が横たわる。生きていることが淋しい日には祈りのうちに、つないだ手だけ…

亡国の王族が、魔神に託した願いとは。

精霊信仰に端を発したロクサーナ聖教。長い歴史の中で力をつけた彼らは、神聖騎士団という武力を有していた。 その神聖騎士団の見習い騎士であるフェライは、けれど不思議な力を持っている…

争いが絶えない大陸をさすらう青年シャハーブは、大賢者の書と『全能の書』が眠るといわれる『叡智の館』の噂を聞きつけ、好奇心から館を目指す。 館があると噂の森に踏みこんで、彼が出会っ…

現在のタルキイェ共和国に、かつて存在した国、ヤールート。 神話の伝承により、灰色の髪と瞳を持って生まれた王族の子は、母なるアセナの子として崇められ、直系でなくても、王になる事を…

昔々あるところに、双子の王子がいた。 王であった父親は、自らの領土を二つに分け、双子のそれぞれに国を与えて統治させようとした。 それから幾世代を経て現在。 片割れの国の領主アッ…