たったひとつの願い事

作者 小林礼

51

19人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

短い中で、意外な展開と哲学的な人生観が無理なく描かれた秀作です。

主人公が魔神に頼む願い事と、滅ぼされた自国に対する思いの意外性に興味をそそられ、
その考えの根底にある人生観にはなるほどと唸らされるでしょう。

この内容をこの尺でまとめる構成力と、会話を中心とした文章もとてもお上手です。
特に、文章は削ぎ落とした簡素なものであるにもかかわらず、全く安っぽいそれでなく、素晴らしいです。
また、会話の中にユーモアも注がれていて楽しく読めるのも嬉しいところです。

会話中心の削ぎ落とした文章と意外な展開、読み手に哲学的な発見をさせるところなど、星新一の作品を彷彿とさせますが、星新一作品がやや悲観的であったり毒の強い余韻を残すのに比べ、この作品は気持ちの良い読後感です。
爽やかな余韻を楽しみたい方にもおすすめです。

★★★ Excellent!!!

この文字数でこれは……凄い。

短編でサックリとまとめられているが、長編で読みたい内容だった。
とにかくキャラがいい。
その心理と言動がピタリと合っていて、読んでいて心地良い。
人の価値観と、人生における幸せとは何かを、少ない言葉でどんと見せてくる。

魔人くんが可愛くて仕方がなかった。