「緑の」を含む小説

むかしむかし。 この国には鬼がいました。 森に潜み、闇に潜み、獲物を自らの腹に納めんと目を爛々と輝かせる鬼を、人々は恐怖していました。 中でも恐れられたのは『紅天／ベニテン』…

「ねえ、みどりちゃん。おはなし聞いて」 「今日はどんなお話なのかしら？」 「あのね──」 これが、絵描きを目指すわたし、千歳緑《ちとせみどり》と、ちょっとだけ成長した小学二年生…

緑夏 創の掃き溜めもとい掌編小説集。 夜な夜な息抜きに書く1000文字ほどの掌編を気が向いたら投稿します。

　日系イギリス人・ジョン＝田中＝スミスは、ロンドン郊外に住んでいた。 　だが父から聞く日本への憧れを捨てきれず、三十九歳にして移住を決めた。一ヶ月の期限付きで。 　日本はちょうど…

PLOW（プロウ） 意味…鋤。耕作。北斗七星。壊す。掻き分けて進む。自分の仕事を全うする。 世界は時々終わる。 でも、生きている限り生活は続いていく。 荒れ果てた世界で、家族も…

【私がおしゃれをするようになった理由はあの人との出会いだった。 　ドキドキスイートラブコメディ】 野林緑里様の自主企画用に書いた物です。 ノーティーにはさまざまな意味があり、「…

緑鹿という民の出身であり、鎮魂師のソライは、三年前に戦で燃えた白狼の森に未だ蔓延る、戦争で命を落とした霊魂の除霊に訪れた。そこで出会ったのは、まだ年端もゆかぬ少年の霊。ソライは任…

陸地に縁取られた海面と、鮮やかな緑。 わたしは初めての一人旅で、ようちゃん先輩が生まれた町に来た。 海を眺めていると、ある女性に声をかけられる。 ようちゃん先輩に思いを馳せるわた…

　暗く寂しい森の入口に、夜風の吹き荒れる屋上に、固く閉ざされた一室に、彼女は現れた。 　白い髪を揺らし、緑の瞳を細め、揺らぐことのない信念を抱え、この世の全てを愛した人外の少女は…

ザルボーの浜辺に、弱ったノポウ族が流れ着く。 ポポロとともに古戦場跡の西に赴いたアルド達の前に、合成人間が立ちはだかる。 現代・未来・異次層をわたる旅の末、アルドたちは荒れ地に実…

僕はいつも弁当に入ってあるピーマンが嫌いだった。 そんなある日、親友からそんなに嫌ならピーマンを捨てればいいと提案される。 僕は、それを実行した。否、実行してしまったんだ。

アリを操作できるアプリを手に入れた主人公は、 その力を好き放題に使いまくって暴れまわっていた。 でも、国の特別な機関についに嗅ぎつけられて……！？ ↓前回の投稿↓ 『結婚保…

あらすじ 様々な業種で莫大な富を得ており、絶大な影響力を及ぼすフェイル家。しかしそれは仮の姿で、真の姿は、世間の中を暗躍する秘密組織、フェイル薔薇騎士団だ。そのフェイル家のご令嬢…

森と洞窟の国ルキエーでは、時折緑の髪の子供が生まれてくる。 緑の髪の子は、間違えて人に生まれてきた精霊の子（ラー・ロウ）と呼ばれる。 名前を持たず、家も持たず、人ではなく精霊（ラ…

制限時間内に部屋にあるものを壊して、 そのぶっ壊し具合をスコアにする破壊学。 でも、成績優秀な主人公はこの教科だけ苦手で……！？ ↓前回の投稿↓ 『金ライオンの檻に閉じ込め…

創作系サイト、メクる(のブログ)に投稿していた草小説です。バイオレンス・ホラーのようなものを目指しましたが、結局失敗しました。自分を主人公にするのはやめようと思いました。

　万世一系の皇帝が知召す世界帝国『アキツ諸侯連邦帝国』（帝国）と、 　真教とよばれる一神教を信仰する専制君主国の連合体『神聖王国連合』（連合）そして、 　革命により専制君主を打倒…

ヒトの体を苗床にする寄生植物が蔓延る世界。 生き残った数少ないヒトビトと、ヒトに似せて作られたアンドロイドが住まう拠点での、おとなとこどもとアンドロイドのお話。 （連作掌編） …

「ねえ、知ってる？　その神さまにふれられると、一番大切なものを取られちゃうんだって」 まことしやかに囁かれる噂話。 ある日、主人公の少女・桜は、件の神さまと遭遇する。 影となって…

　恵の雨を齎す存在、フィレナレイン。全長一キロにも達するこの超巨大生物は、かつては数多く存在していたのだが、今現在ではわずか数体を残すのみにまで数を減らし絶滅の危機に瀕していた。…